オカルト短歌 第16回 「宇宙」

講評=笹公人

宇宙に思いを馳せるわれわれもまた、宇宙人なり

 

<笹師範の「宇宙」作品>

宇宙人目撃談に沸く町の八百屋のおやじが着る銀のシャツ 
ランニングシャツのオヤジが中華鍋死ぬほど叩く宇宙通信 
アルミホイルを体に巻いた宇宙人も歩みいるなり学祭の夜は  【笹 公人】

 

<優秀作品>

メーテルの長い金髪なびかせる宇宙のそよ風どこから来たの     【水鳥】

 

<佳作>

アメリカはスターウォーズを起すだろうコカ・コーラ1本のためなら  【市松藻ヨウ】

宇宙なんて実はなかった嘘でした大統領がHAHAHAと笑う     【戸田響子】

われわれは宇宙人さ、と母親が言ってた扇風機からそよ風       【小坂井大輔】

ピンポンとベルを鳴らせばぴんぽんと宇宙のどこかで鳴るベルがある  【小林礼歩】

宇宙から帰ってきたと語り出す幼馴染みの開く宗教          【柳原栄三】

 

 

水鳥さんの作品。
真空の宇宙空間では風が吹くはずはないのに、
なぜメーテルの金髪はそよぐのか?
という疑問を歌にしています。
「どこから来たの?」と言われても「知らん」としか答えようがないです。
ぜひ松本零士先生に直接質問してください。

ついでに、銀河鉄道999の食堂車で出るビフテキは
どこ産(何星)の牛肉なのかも聞いてほしいです。

 

市松藻ヨウさんの作品。
コカ・コーラは、アメリカ資本主義の象徴ですからね。
たしかにやりかねないと思います。
「コカ・コーラ利権のためには」
などと説明的にしないところがよかったです。
「コカ・コーラ1本」には、
アメリカ文化や5兆円市場も含まれているのです。

 

戸田響子さんの作品。
もちろんトランプをイメージした歌でしょう。
トランプ大統領の豪快さとトンデモ具合が上の句のセリフに集約されている気がします。
月面着陸どころか宇宙そのものがなかったと言い切るあたり、
インパクトがあっておもしろいです。

 

小坂井大輔さんの作品。
扇風機で宇宙人ごっこをしていたのが子供ではなく、
自分の母親であったという驚きが詠まれたワンダー短歌です。
素敵なお母さんですね。
母の日には、ぜひカーネーションをあげてください(よけいなお世話)。

 

小林礼歩さんの作品。
宇宙はどこかでつながっているということを言いたいのでしょう。
「ピンポン」と「ぴんぽん」をカタカナとひらがなに分けたところがよかったです。
空間の違いを表現しているのかもしれません。
僕の歌にも似た発想のものがあります。

レディー・ガガが五指曲げるたびドヤ街の日雇い労働者が寝返りをうつ
【笹 公人】 『念力ろまん』より

 

柳原栄三さんの作品。
そういう人いますよね。
宇宙飛行士にせよ、UFOにさらわれた人にせよ、
宇宙に行くと宇宙意識に目覚める人が多いようです。
この歌に出てくる幼馴染みも、使命感にかられて新興宗教を開いたのでしょう。
ぜひ幼馴染みの片腕としてがんばってください(よけいなお世話)。

 

 

 

 

次回の募集お題は「池」。
心霊スポットに水は定番ですが、水を湛えた池にかぎらず、詠んでください。
締め切りは3月31日(土)必着です

 

 

応募方法は下記ウェブから。

ウェブ:「ムーPLUS」投稿フォームのカテゴリ「その他」を選び、本文冒頭に「オカルト短歌」と記載して、投稿してください。

 

  • 1回の投稿で複数首を投稿してもOKです。
  • ご投稿いただいた内容は「ムー」本誌の紙版、電子版のほか、「ムーPLUS」に 掲載されることがあります。

 

笹師範をうらなせる名作、怪作をお待ちしております!

 

sasaprof

選者 笹 公人(ささ きみひと)

「未来」選者。現代歌人協会理事。歌集『念力家族』(NHKで連続ドラマ化)、『念力図鑑』、『抒情の奇妙な冒険』、編著『王仁三郎歌集』などがある。

講評=笹公人

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