オカルト短歌 第17回 「占い」

講評=笹公人

 あたるも八卦当たらぬも八卦とはよくいったものです

 

<笹師範の「占い」作品>

手相見のホクロ毛ばかり気になって大事な予言聞き逃したり 
鳥占の鳥を逃した老師いてきらめく正月の中華街
                              【笹 公人】

 

<優秀作品>

辻辻の占い屋みな姿消す更ける七月空に凶星           【月餅屋】

 

<佳作>

すっぽんの脾臓がラッキーアイテムで本気を出してきた占い誌    【市松藻ヨウ】

コーヒーの渦に未來を讀むといふ講座歸りに踏む水溜り       【酒井景二朗】

蹴りあげた靴がつま先立ちになりあすの天気はこの世の終わり    【川村清之介】

たしかめる勇気がなくて知らぬ間にフォーチュンクッキー黴びているなり

                               【魚虎豆太郎】

だけどその占いの詐欺臭さかな今は卑弥呼の時代じゃないぜ     【柳原栄三】

 

 

●月餅屋さんの作品。

江戸時代の風景とも現代の風景ともとれます。
いつもはいる街角の占い師たちがいっせいに、急にいなくなると、やはり何かが起きるのではないかと不安になります。しかも空に見たこともない凶星が鈍く光っていたとしたら、避難したくなりますよね。
明治時代にハレー彗星が地球に接近したときには、「地球から5分ほど酸素がなくなる」というデマがはびこって、大騒ぎになって、自転車のチューブを買う人が相次いだらしいです。
現代だとミサイルを想定して地下に逃げ込んだりするのかもしれませんね。
どこかノスタルジックな雰囲気も漂っていて、魅力的です。

 

●市松藻ヨウさんの作品。
雑誌の占いコーナーのラッキーアイテムは、「チョコレート」とか「文房具」とか無難なものが多いですが、「すっぽんの脾臓」が出てきたら、たしかに「おっ」と思いますね。
不思議と手に入れたくなります。
ほかにもベータビデオ版の「刑事物語」とか、波田陽区のタレント本とか、そういう微妙かつ具体的なアイテムがチョイスされていたら、いったいどんな占術を使っているのだろう……? と気になりますし、本気度も感じますね。

 

●酒井景二朗さんの作品。
白蛇占いとか、エレクトーン占いとか、いろいろ変わった占いが存在します。コーヒーの渦占いというのがあってもおかしくないです。その講座を受けた帰りに水溜りを踏んだというのも何か暗示的です。水溜りはどんな渦を描いたのでしょう。

 

●川村清之介さんの作品。
蹴り上げた靴が、つま先立ちで着地するというのは、かなり珍しく、禍々しいですね。これも立派な占いだと思います。

 

●魚虎豆太郎さんの作品。
フォーチュンクッキーという存在をAKB48の曲で知りました。おみくじは、見るのにすこし勇気が要りますよね。魚虎さんには、「未来はそんな悪くないよ ヘイ!ヘイ!ヘイ!」という言葉を贈ります。

 

●柳原栄三さんの作品。
作者は「卑弥呼の時代じゃないぜ」と突っ込んでおられますが、卑弥呼の時代にあったような占いが、いまだに残っているところが凄いと思います。そういえば、以前、盟神探湯(くかたち)に失敗したという神主と対談したことがあります。日本人の占い好きは筋金入りです。

 

 

次回の募集お題は「人形」。

お人形、ひとがた、ドール、フィギュアなど、人の形をしたものには、やはり何かありそうです。

締め切りは4月30日(月・祝)必着です

 

 

応募方法は下記ウェブから。

ウェブ:「ムーPLUS」投稿フォームのカテゴリ「その他」を選び、本文冒頭に「オカルト短歌」と記載して、投稿してください。

 

  • 1回の投稿で複数首を投稿してもOKです。
  • ご投稿いただいた内容は「ムー」本誌の紙版、電子版のほか、「ムーPLUS」に 掲載されることがあります。

 

笹師範をうらなせる名作、怪作をお待ちしております!

 

sasaprof

選者 笹 公人(ささ きみひと)

「未来」選者。現代歌人協会理事。歌集『念力家族』(NHKで連続ドラマ化)、『念力図鑑』、『抒情の奇妙な冒険』、編著『王仁三郎歌集』などがある。

講評=笹公人

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