オカルト短歌 第18回 「池」

講評=笹公人

 池の水を抜いたらUMA出てこないですかね

 

<笹師範の「池」作品>

池の主を刺身にしたる三郎の奇病あやうし夜の呻き声 
自転車を池に沈めて微笑みぬ月光の夜の夢野久作
                              【笹 公人】

はからずも「ムー」関連のツイートがバズりました。

連休前に必ずと言われた原稿がこれです。
なんとか間に合ってよかったです。
これでムー編集部の担当さんも心置きなくツチノコ捕獲に全力を注げることでしょう。
ぜひツチノコを捕獲してください!
陰ながら成功を念じております。

 

 

<優秀作品>

かいぼりをしてはいけない池ゆえにピラニアたちを深夜へはなつ  【笛地静恵】

 

<佳作>

エサが欲しいわけではなくて鯉たちの口の動きが送る警告      【戸田響子】

古池に佇む霊に「死因は?」とズバリ斬り込む池上無双       【えもとえい】

じゃあねって池に帰ってゆくけれど静かで優しい彼女が好きだ    【小川けいと】

池の水ぜんぶ抜いたら現れた怪生物が血をぜんぶ抜く        【生倉かたな】

ガキのころ池に放した金魚がな今では主になってるらしい      【涸れ井戸】

 

 

●笛地静恵さんの作品。

その池には、おそらく死体が沈んでいるのでしょう。
深夜の池に、こっそりピラニアを放ったのは、犯人に違いありません。
夢野久作の「猟奇歌」を彷彿させる作品でした。

 

●戸田響子さんの作品。

鯉たちは、池の水を抜こうとする人たちに対して、池の主の祟りを警告しているのでしょうか。
「やめろ やめろ」という意味で口をパクパクさせているのでしょう。なかなか親切ですね。
池の主にとっては、汚れた水のほうが住み心地がよいのかもしれません。
あるいは、人間に姿を見られたくないのかも……。

 

●えもとえいさんの作品。
「池」の字が二つ出てくるところがポイントです。
地縛霊にいきなり死因を聞くのは、初対面の女性に年齢を聞くのと同じくらいのマナー違反の行為かもしれません。
たしかに池上彰さんなら、そのあたりにも遠慮なく斬り込みそうなイメージがあります。
想像するだけでおもしろいです。
故・宜保愛子さんと池上さんのタッグ、見てみたかったです。

 

●小川けいとさんの作品。

池には、たしかに異世界とつながっていそうな雰囲気があります。
この不思議な彼女は、デートのあと池の底にある竜宮城みたいなところに帰ってゆくのでしょうか。
あるいは地縛霊かもしれません。

 

●生倉かたなさんの作品。

池の水をぜんぶ抜かれたお返しとして、水を抜いた出演者・スタッフたちの血をぜんぶ抜くのでしょうか。
ロケ中に起きたら、かなりの衝撃映像が撮れそうです。
半魚人みたいな怪物をイメージしました。

 

●涸れ井戸さんの作品。
「お化け金魚」といわれる金魚は、きっとそうやって生まれるのでしょうね。
楳図かずお先生の傑作漫画「怪獣ギョー」を思い出しました。

 

 

次回の募集お題は「ツチノコ」。

隠れるのが得意な日本古来の未確認動物。捕獲したら高額賞金と、はかりしれない栄誉が得られます。足跡や死骸でも、発見したらムー編集部へご連絡ください。

締め切りは5月31日(木)必着です

 

 

応募方法は下記ウェブから。

ウェブ:「ムーPLUS」投稿フォームのカテゴリ「その他」を選び、本文冒頭に「オカルト短歌」と記載して、投稿してください。

 

  • 1回の投稿で複数首を投稿してもOKです。
  • ご投稿いただいた内容は「ムー」本誌の紙版、電子版のほか、「ムーPLUS」に 掲載されることがあります。

 

笹師範をうらなせる名作、怪作をお待ちしております!

 

sasaprof

選者 笹 公人(ささ きみひと)

「未来」選者。現代歌人協会理事。歌集『念力家族』(NHKで連続ドラマ化)、『念力図鑑』、『抒情の奇妙な冒険』、編著『王仁三郎歌集』などがある。

講評=笹公人

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