オカルト短歌 第19回 「人形」

講評=笹公人

人形でもいいので、話し相手になってください……

 

<笹師範の「人形」作品>

悪霊に憑かれしファービー甘え声でオレゴン州立刑務所を語る
マサユキの腹話術人形燃やしたる教師の顎に浮かぶタテ線
                              【笹 公人】

 

 

<優秀作品>

髪伸びる人形のため枝毛用トリートメントを箱買いしたり      【魚虎豆太郎】

 

<佳作>

うつ伏せになってるキューピー人形が笑顔だという確証はないから  【小坂井大輔】

リカちゃんを焚き上げに行った神社にて宅八郎似の宮司あらわる  【高橋たいげん】

大切な魔法を込めたばあちゃんの勾玉の心臓持つ人形           【蝶番】

知らぬ間に手脚に糸をつけられてまっすぐ帰る妻のところへ      【大野恵未】

公立校学費無料の報を受け安堵して消ゆ二宮の像           【生倉かたな】

 

 

●魚虎豆太郎さんの作品。

有名な「お菊人形」とか髪の伸びる日本人形の話をよく聞きます。
僕自身も何度か遭遇したことがあります。
人間の髪の毛を使っている場合、すこし伸びるのは普通のことのようですが、
佐藤蛾二郎的な伸び方をする場合は、あきらかに霊的な原因があると思われます。
それでも怖がらずに、しっかりと人形ヘアをケアする作者はホンモノの人形愛にあふれています。

 

●小坂井大輔さんの作品。

クリクリ目玉がかわいいキューピー人形ですが、うつ伏せになっているときは、
どんな表情をしているかわからないという歌です。
たしかにチャッキーのような悪鬼の形相をしているかもしれません。
今後、うつ伏せのキューピー人形を見る目が変わってしまいそうです……。

 

●高橋たいげんさんの作品。

謎のシンクロニシティを詠んでいます。
どちらかというと、リカちゃん人形を焚き上げに行った理由のほうが気になります。
僕も以前、電池を入れていないファービーが突然しゃべり出したため、
塩漬けにして増上寺の人形供養に持っていったことがあります。
塩漬けにされたファービーの目が妙に艶っぽくて、不気味さに拍車をかけていました。

 

●蝶番さんの作品。

お守りの勾玉を人形に埋め込んで、魂を入れようとしたのかも。
勾玉が心臓のかたちに似ているからこその発想でしょう。

 

●大野恵未さんの作品。

夫が単に恐妻家なのか、あるいは妻の呪術なのか、謎は深まります。
見えない糸に操られて歩く男は、ロボットダンス的な動きだったのでしょうか。

 

●生倉かたなさんの作品。

高校の話ですね。二宮金次郎像は、主に小学校に建っているものなので、
いまいちピンときませんでした。
しかし目のつけどころは、おもしろかったです。

 

 

次回の募集お題は「墓」。

お盆くらいはお墓参り。

実家が遠いとなかなか手間もかけられませんが、ビルに収まったハイテク墓も需要あるのが現代です。

締め切りは6月30日(土)必着です

 

 

応募方法は下記ウェブから。

ウェブ:「ムーPLUS」投稿フォームのカテゴリ「その他」を選び、本文冒頭に「オカルト短歌」と記載して、投稿してください。

 

  • 1回の投稿で複数首を投稿してもOKです。
  • ご投稿いただいた内容は「ムー」本誌の紙版、電子版のほか、「ムーPLUS」に 掲載されることがあります。

 

笹師範をうらなせる名作、怪作をお待ちしております!

 

sasaprof

選者 笹 公人(ささ きみひと)

「未来」選者。現代歌人協会理事。歌集『念力家族』(NHKで連続ドラマ化)、『念力図鑑』、『抒情の奇妙な冒険』、編著『王仁三郎歌集』などがある。

講評=笹公人

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