オカルト短歌 第21回 「墓」

講評=笹公人

墓場の運動会に参加したかった、あのころの夢

 

<笹師範の「墓」作品>

墓石に赤いペンキを塗りたくる由紀の養父の霊障の相

ドラクエⅩⅩⅩ(サーティー)クリアしたよ!」と曾孫らの声響くだろう 春の墓前に
                               【笹 公人】

 

 

<優秀作品>

空気のように扱われてたわけを知る自分の名がある墓石の前で    【戸田響子】

 

<佳作>

この俺のラーメン食わずなぜ死んだ父の墓石にスープを浴びせ    【ゴウヒデキ】

誕生日ケーキの火から線香の匂いがしたら最後の年です       【枇杷陶子】

幾千の物語たちの墓として目をつむりゆく海辺の団地         【小林礼歩】

変人と名高い君の墓石はガラスでできた三角錐だ          【keigo.】

墓参り欠かさぬ母に言い出せず……我が家の墓は、その隣です    【月餅屋】

 

 

●戸田響子さんの作品。

死後の世界を信じていなかった人は、死んだことに気づくのは難しいでしょうね。
そういった不成仏霊が、家族にも友人知人にも気づいてもらえず、
仕方なしにお墓に行くというのは、よくあるパターンだそうです。
ある意味「死後の世界あるある」の歌といえましょう。

 

●ゴウヒデキさんの作品。

酒好きだった人のお墓に酒をかけるというのはありますが、
ラーメンのスープをかけるというのは新しいかも。
豚骨スープの匂いが墓地に漂うというのは、いかがなものでしょうか。
一瞬、かっこよく見えるところがミソです。
ラーメン屋親子の愛情物語として読めば泣けます。
いや、泣けないか。

 

●枇杷陶子さんの作品。

これは新しい都市伝説になりそうです。
しかし、「青雲」みたいな香りを嗅ぎながら食べるショートケーキは、
美味しくなさそうですね。
「墓」という言葉が入っていませんが、特別にOKとします。

 

●小林礼歩さんの作品。

ノスタルジックなポエジーを感じます。
おそらく今は誰も住んでいない廃団地だと思います。
廃団地のそれぞれの部屋には、昭和の日々の残像がやさしく閉じ込められているのでしょう。

 

●keigo.さんの作品。

故人が好きだったものの形で墓石を造ることがあります。
野球のボールとか本とかタバコとか。
ガラス製のピラミッド型の墓ということは、
吉村作治教授のようなエジプト考古学者だったのでしょうか?
ちなみに吉村教授は、「ピラミッドは墓ではない」と主張されています。
「ムー」の愛読者なら、その説に納得でしょう。

 

●月餅屋さんの作品。

高齢者墓参りあるあるでしょうか? いや、流石にお墓は間違えないような気がします。
間違えてお参りされたお墓の中の人(霊)たちは、
予想外のラッキーを噛みしめているかも。
ま、それでもご先祖様に気持ちは伝わっているのではないでしょうか。

 

 

次回の募集お題は「ミイラ」。

死の両側にある永遠、再生、肉体なども含んだ生命のキーワード。
猛暑で乾きそうな天候にもなりがちですが、体調にご注意を!

締め切りは8月31日(金)必着です

 

 

応募方法は下記ウェブから。

ウェブ:「ムーPLUS」投稿フォームのカテゴリ「その他」を選び、本文冒頭に「オカルト短歌」と記載して、投稿してください。

 

  • 1回の投稿で複数首を投稿してもOKです。
  • ご投稿いただいた内容は「ムー」本誌の紙版、電子版のほか、「ムーPLUS」に 掲載されることがあります。

 

笹師範をうらなせる名作、怪作をお待ちしております!

 

sasaprof

選者 笹 公人(ささ きみひと)

「未来」選者。現代歌人協会理事。歌集『念力家族』(NHKで連続ドラマ化)、『念力図鑑』、『抒情の奇妙な冒険』、編著『王仁三郎歌集』などがある。

講評=笹公人

  • 1

関連商品

ムー
2018年8月号

ムー
2018年8月号

定価:890円
発行:学研プラス
発売日:2018/7/09

この記事と同じトピックを探す

関連記事

編集部おすすめ

アクセスランキング

  • デイリー
  • ウィークリー
  • トータル