オカルト短歌 第23回 「ミイラ」

講評=笹公人

ミイラに秘められしミステリーに魅入られて

 

<笹師範の「ミイラ」作品>

百人の童貞に膝を撫でられてインカの少女のミイラが溶ける

聖徳太子の一万円札握りしめた即身仏は床下にいる
                               【笹 公人】

 

 

<優秀作品>

警察と考古学者が出土した一体のミイラとり合っている     【戸田響子】

 

<佳作>

包帯に包んだミイラの正体は夜に羽化するゾンビの蛹      【那波七海】

綱引きのように包帯奪い合うミイラ男と透明人間        【中田】

黄金の玉の醤油を供えつつ鯵のミイラを開いて食べる      【ゴウヒデキ】

エジプトのミイラ作りのプロたちが干し無花果を黙々と食う   【涸れ井戸】

女子校のトイレ跡にて見つけたる即身仏のほのかな薫り     【柳原栄三】

 

 

●戸田響子さんの作品

警察が調べたがるということは、よほど新鮮なミイラだったのでしょう。
死後にひっぱりだこになって、ミイラは何を思うのでしょう。

 

●那波七海さんの作品

ミイラだと思ってぐるぐる巻きの包帯を解いたらゾンビだったというオチです。
「羽化」というより「変態」という言葉のほうがふさわしいと思います。
「ミイラの蛹」というフレーズは、インパクトがあってよかったです。

 

●中田さんの作品

ミイラ男が必死で包帯を引っ張っている先には、透明人間がいたというオチです。
透明人間は包帯が無くても生きていけるので、勝ちを譲ってあげてほしいです。
「あらわれないのが透明人間」なんですから(by・ピンク・レディー)。

 

●ゴウヒデキさんの作品

放送作家のゴウさんです。
言われてみたら「アジの開き」は、たしかに鯵のミイラですね。
ミイラ → ピラミッドの連想で、お宝級の醤油でたべようと思い立ったのでしょう。
今後、「アジの開き」の見方が変わりそうです。

 

●涸れ井戸さんの作品

ミイラに限らず、干物が大好きなんでしょうね。
また、干し無花果を食べる姿がやけに似合っています。

 

●柳原栄三さんの作品

つのだじろう先生の「学園七不思議」にそういう話ありましたよね。……ってねえよ!
そんな下ネタねえよ!!
おそらく戦後の女子校で、ぼっとん便所に潜んでいた変態が落ちたまま死んで、気づかれずにいたという話でしょう。
そんな死に方で即身仏になれるのでしょうか……?
私がスーパーバイザーを務めていた「爆笑問題のススメ」(日本テレビ系)のコーナー「かわいいシモネタンカ」(2005年)常連投稿者時代から一貫してシモネタンカを作り続けている柳原さんです。
もはや職人……?

 

 

最後の募集は「未来」。

今回の募集で、オカルト短歌はひと区切りとなります。でも、世のオカルト、オカルトめいたことは尽きません。それらを詠んで未来に伝えましょう!

締め切りは10月30日(木)必着です

 

 

応募方法は下記ウェブから。

ウェブ:「ムーPLUS」投稿フォームのカテゴリ「その他」を選び、本文冒頭に「オカルト短歌」と記載して、投稿してください。

 

  • 1回の投稿で複数首を投稿してもOKです。
  • ご投稿いただいた内容は「ムー」本誌の紙版、電子版のほか、「ムーPLUS」に 掲載されることがあります。

 

笹師範をうらなせる名作、怪作をお待ちしております!

 

sasaprof

選者 笹 公人(ささ きみひと)

「未来」選者。現代歌人協会理事。歌集『念力家族』(NHKで連続ドラマ化)、『念力図鑑』、『抒情の奇妙な冒険』、編著『王仁三郎歌集』などがある。

講評=笹公人

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