オカルト短歌 第24回 「テレビ」

講評=笹公人

テレビの中に出入りできると思っていたあのころ。

 

<笹師範の「テレビ」作品>

花嫁の目の黒線の太きかなテレビに映る心霊写真

夏の夜の霊界テレビ エジソンの白衣の裾を映して消えた

百時間テレビに青く照らされて少女はついにテレポートする
                               【笹 公人】

 

 

<優秀作品>

ひとびとはテレビを見てるつもりでも見られていると知るべきだった 【川村清之介】

 

<佳作>

真夜中の試験電波はメッセージ地球に潜む異形の者へ        【水鳥】

UFOを呼び出す中継横目にし しょうがねえなと出掛けるグレイ   【繰】

昨日までテレビと信じたその箱はただの箱なり中の人滅びて     【ふじたま】

テレビからパワーを送るユリ・ゲラー老婆の腰が曲がりはじめる   【柳原栄三】

テレビこそ地球に住む人類に災い灌ぐ魍魎の匣           【野中泰風】

 

 

●川村清之介さんの作品

スノーデンの警告めいた歌です。
パソコンのカメラが危ないという話がありますが、もしテレビもそうだとしたら、何もかも筒抜けですね。しかも過去形なので、もう手遅れということでしょう。
口語でさらっと詠んでいますが、かなり怖いことを言っています。
信じるか信じないかはあなた次第です。

 

●水鳥さんの作品

あれはそのための放送だったのか……!
毎日欠かさず試験電波をチェックしている人がいたら怪しいですね。

 

●繰さんの作品

UFO観察会などにあらわれるUFOは、地球人のためのサービスだったのですね。
だとしたら、宇宙人はキグルミを着て子供たちを楽しませる
大人のような心境なのかもしれません。
ありがとう……グレイ!(ヴィジュアル系ロックバンドじゃないほう)
●ふじたまさんの作品

人類滅亡後の風景でしょう。
オーパーツと化したテレビは、未来人にはどんな箱だと思われるのでしょうか。

 

●柳原栄三さんの作品

ユリ・ゲラーが曲げたのは、スプーンだけではなかったのですね。
どうせなら老婆の曲がった腰を元通りに治してほしかったです。
とはいえユリの実力は、スプーン曲げどころの話ではないというのは本当のようです。

 

●野中泰風さんの作品

苫米地さんの本とか読むと、そういう気もしてきますよね。
「魍魎の匣」といえば、京極夏彦先生ですね。

 

「ムーPLUS」でのオカルト短歌は次回「未来」の発表でひと区切りとなります(現在は募集をしていません)。新たな場でのオカルト短歌にご期待ください!

 

 

sasaprof

選者 笹 公人(ささ きみひと)

「未来」選者。現代歌人協会理事。歌集『念力家族』(NHKで連続ドラマ化)、『念力図鑑』、『抒情の奇妙な冒険』、編著『王仁三郎歌集』などがある。

講評=笹公人

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