偶然のメッセージを得て、決断せよ!  「決定版 ルーン・オラクル占術」

文=鏡リュウジ

ルーン占いはなぜ当たるのか

 

ルーン占いの方法は、これ以上ないほどシンプルです。カードを心のおもむくままにシャッフルして、何枚かのカードをランダムに選びだすだけなのですから。

 

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「こんなにイージーでいいのかしら」

 

なかには、そんなふうに思われる方がいるかもしれません。とくに、もしあなたが西洋占星術や四柱推命術といった、高度に洗練されたデータを駆使する占いに親しんでいれば、このあまりに簡単な方法に拍子抜けしてしまうことさえあるでしょう。

しかし、方法が簡単だからといって、結果が信用できないものになるわけではありません。その点を理解するには、「占い」そのものの思考法に親しむことが必要になります。

占星術であれ、タロットであれ、そしてルーンであれ、占いの思考法はその根本のところで、いわゆる「科学」やそれにもとづく常識とはまったく異なります。

たとえば、神秘学の世界には洋の東西を問わず、「弟子に準備ができたときに師が現れる」という言葉があります。本人がどんなにその気になっていても、機が熟さなければ正しい師匠は現れない、という意味です。この言葉は科学的なものの見方ではない、もうひとつの時間と空間の認識法をよく表しています。

その認識法とは、外側の現実の世界が、内側の心の世界を映しだすという考え方です。

一見、偶然のように思える出来事が、深い心の動きを象徴的に表すことがあるのです。スイスの著名な心理学者C・G・ユングは、そんな出来事をシンクロニシティ(共時性)と呼びました。

 

シンクロニシティという観点に立てば、この世界は不思議な偶然に満ちています。電話がかかってきそうだなと思うと、本当にその相手から電話がかかってきたり、急に時計がとまった時刻に親戚が亡くなっていたり、紐が何度もほどける日は決まってアクシデントがある、など。

そのメカニズムは解明できそうにありませんが、そうした小さなシンクロニシティは、普通に考えられているよりずっと頻繁に起こっています。ただ、僕たちがそれに目をふさいでいるだけなのです。そして、たまたまそんな偶然に気づいたときは、「予知能力」だとか「心霊現象」だとかいって、大騒ぎしてしまうのです。

シンクロニシティは、心に強く訴えかける力を持っています。けれど、それ自体はスーパーナチュラル(超自然的)な現象ではないのだと思います。現代の僕たちは、あまりに合理的な思考に慣れすぎてしまって、そうしたメッセージに鈍感になっているだけなのではないでしょうか。

じつは、シンクロニシティは、無意識(あるいは、古代北欧の人々のように「神々」といってもいいかもしれません)からの警告や導きであることが多いのです。

 

総じて占いとは、こうしたシンクロニシティを読み取る技術です。占星術もルーンも、その点では同じです。星の運行と人生、カードの図柄と運命といった、合理的に考えればまったく無関係のものを結びつけて、そこに意味を読み取ろうとするのですから。

同時に、占いに必要な感性を身につけることは、シンクロニシティをしっかりとキャッチする直感力を高めることにもつながります。

 

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直感が深い解釈を可能にする

 

本書とともにお届けするルーン・カードは、「偶然」にキャスト(展開)されます。しかし、「偶然」とはいえ、真剣に行えば行うほど、シンクロニシティの作用により、あなたへの重大なメッセージが現れます。「準備ができたときに師は現れる」という諺にならうなら、「準備ができたときにルーンは正しく現れる」といったところでしょうか。

このときに留意すべきは、ルーンに秘められたメッセージを教科書どおりに解釈しようとしてもあまり役に立たない、ということです。

 

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たとえば、恋愛で悩んでいる人に「火」を表すルーンが出たとしましょう。「火」のルーンは、だれがいつ引いても「恋の勝利」を表すわけではありません。引く人やタイミングによっては、「嫉妬の炎」を表すこともあります。

 

ユングは、シンボル(象徴)とサイン(記号)を区別して考えました。サインは、たとえば交通標識の「止まれ」のマークのように、常に同じ意味を持っています。一方、シンボルは、心に強い印象を与えるけれど、その意味は単純に決められないというもので、クリスチャンにとっての十字架などが代表例です。ルーンもこれと同じで、そのときの状況と直感にしたがって、その意味を探っていかねばなりません。

 

この本でご紹介するのは、無数にある解釈のうちの、ほんのわずかな例にすぎません。あなたは自分自身の直感を使って、ルーンが発するメッセージを自由に、そして深く解釈していくべきです。

 

ルーンのささやきと「内なる魂」

 

シンクロニシティを通じて現れるルーンのメッセージが、とくに重要になるのはどんなときでしょうか。それは、選択や決断のときだといえます。

 

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人生は旅のようなものだとよくいわれます。その旅の途上では、恋や仕事をはじめとするさまざまな事柄について、重大な分かれ道が何度となく出現します。そのときにいちばん大切なことは、自分の行動を宿命に委ねるのではなく、自分の意志で選択することなのです。

アメリカの心理学者ロロ・メイはこんなふうにいっています。

「どんぐりは自動的に生長してカシの木になる。子猫は本能を基盤にして猫になる。動物や植物は自然の存在と同一である。しかし、人間の男女は自身の選択によって、そして、その選択に献身することによって、初めて全き人間になるのである。人々は、日々くり返すことによって価値と尊厳を手にするのである」

ルーンの発明者が、旅人の守護者であるオーディンだというのは意味深長な偶然です。ルーンは、まさに人生を旅する人の守護者になりうるからです。

 

深い懐疑主義と合理主義に毒されてしまった僕たち現代人は、ときに自分の意志によって選択することをせず、「価値と尊厳」を見失うことがあります。何をやっても無意味に感じられたり、毎日が灰色に見えたり、といった具合に。学校と家の往復、会社の歯車のひとつになっていく自分……。そんななかで「神は死んだ」という言葉を思いだす人もいるでしょう。

 

しかし、本当に死んだのは神ではなく、むしろ僕たち人間の内なる魂なのです。旅を続けるには、身近な出来事に「意味」を見いだせるような、つまりシンクロニシティを発見できるような、そんな直感力と感受性を取り戻すことが必要でしょう。たとえば、時間を気にせずに大自然の中に身を浸すこと。過去の生き生きとした経験をじっくりと思いだすこと。祈ること。体を動かすこと。麻痺した魂を甦らせるには、いろいろな方法があるはずです。心を静かにしてルーンのメッセージに耳を傾けることも、そのひとつなのです。

 

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ルーンは、常に何かをささやいています(ルーンには「ささやく」という意味があります)。そのささやきは、心の深い部分からやってきます。ルーンが的確に自分の現状を示したり、役に立つメッセージを送ってくれたりするのは、あなたが宇宙の中で孤独ではなく、すべてが意味を持ってつながっているという証拠です。

それは、あなたが大自然や愛する人と、深い部分で一体であることを意味します。そのことが実感できれば、あなたは勇気を持って、次の一歩を踏みだすことができるでしょう。

 

(「決定版 ルーン・オラクル占術」より)

文=鏡リュウジ

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