週刊ムー語教室/世界中で語られる水棲人類「人魚」の実在性

文=ムー語講師・こざきゆう

海に棲む異人類なのか?

知っているようで知らない〝ムー的用語=ムー語〟をわかりやすく解説する、「週刊ムー語教室(毎週火曜日)」。今週は、海に棲むわれわれ人類の兄弟かもしれない「人魚」を紹介します!

 

第41回:

【必修!3ポイントでわかる「人魚」】

1:人魚は、アンデルセンの童話『人魚姫』で知られる半人半魚の生物。動物学の世界では、ジュゴンなどの海牛目の誤認とされる。

2:西暦1世紀の『博物誌』ほか、これまで多くの文献で人魚の記述は伝えられる。また、数多くの人魚の目撃例が冒険家たちによって報告されている。

3:近年では学術調査もなされており、その正体は人類の共通の祖先が水中生活に適応したものではないか、との仮説も提唱されている。

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人魚といえば、デンマークの童話作家アンデルセンの『人魚姫』でも知られる、上半身は人間、下半身は魚という姿の架空の生物です。動物学では、人魚は海牛目のジュゴンやマナティの誤認によるものというのも、よく知られた話です。

ですが、仮に人魚が想像の産物だとしたら、なぜ、世界各地で半人半魚の生物の伝説が同様に語り継がれているのでしょうか。もしジュゴンやマナティの見間違いだとしたら、彼らが棲息しない場所でも人魚伝説が語り継がれていることも、おかしな話です。付け加えれば、ジュゴンやマナティのような体型をした「太った人魚」の目撃報告は、これまでないとされています。

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では、人魚は本当に存在しないといえるのでしょうか。まずは、人魚についての文献上の記録を遡ってみましょう。

最古の科学的な記録として、多くの研究家がまず挙げるのが、西暦1世紀ローマの博物学者、大プリニウスの『博物誌』です。彼は「人魚(マーメイド)の実在を確信する」と記しています。また、中世の聖人伝説作者による『聖ブレンダン航海記』には、5世紀アイルランドの聖人ブレンダンが、航海中に出会った人魚をキリスト教に改宗させたという話が綴られています。ほかにも、15世紀オランダの修道士の年代記には人魚を保護した話が、16世紀スウェーデン『北方諸民族の歴史』には1187年に人魚が捕獲され、半年間飼育されるのを拒んだあげく、海に飛び込み逃亡したという記録もあります。

また、海洋冒険家として名高いイタリアのクリストファー・コロンブスは、航海の途中に3人の人魚に遭遇したと報告し、イギリスの探検家ヘンリー・ハドソンはアラスカ北方を探検中に、船の上から人魚を目撃したと記しています。

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上記はほんの一例ですが、人魚の記録や探検家たちの目撃報告はこれだけにとどまりません。とくに18世紀中ごろから19世紀中ごろにかけてイギリスが世界の制海権を広げた時期には、海に出た人の数が増えたことに比例して、目撃記録も激増しています。

しかし、にもかかわらず、人魚の存在は現代において、完全に否定されています。なぜならば、直接的な物的証拠があがっていないからにほかなりません。

というと、この分野に興味がある人なら、「日本には人魚のミイラというものが伝わっているじゃないか」「世界各地のUMA写真で、打ち上げられた人魚の死体を観たことがある」というでしょう。

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確かに、そうしたものは古来から現代まで数多く存在します。しかし、そのほとんどがフェイク、すなわち魚と猿などをくっつけた作り物です。なかには、「本物だ」とされるものもありますが、詳しい科学的調査がなされていないというのが実状です。

ただし! 「人魚はいない」……そう断定することはできません。これは、科学の分野で「ない」といい切ることが不可能だから、という意味ではありません。近代においても、実際に人魚(らしき生物)が目撃されており、科学者たちによるフィールドワークが行われているからです。

その場所はパプア・ニューギニアのニューアイルランド島。現地では「リー」と呼ばれる人魚とおぼしき半人半魚の水棲生物がたびたび目撃されてきました。そこで、アメリカ、ヴァージニア大学の調査隊が、1979年から数度にわたり実地調査を行っているのです。同大学の人類学部長ロイ・ワグナー教授は、1985年の調査で最大15メートルの近距離で、リーらしき生物の尾を確認したと報告しています。

 

それでは、人魚の正体とは何なのでしょうか。

一説には、サルのような類人猿が水中生活に適応し、頭髪以外の毛を失い、両脚をイルカのような尾に変えた生物だというものがあります。つまり、陸上の肉食獣が海に適応し、四肢をヒレや尾に変えてシャチやアザラシに姿を変えたり、ゾウのような草食獣がマナティやジュゴンになったことと同じことが、霊長類にも起きたという考えです。

また、もう一説には、人類水棲起源という考え方。これは、陸上生活をしていた人類の祖先が、肉食獣に追われるなどして水中に逃れたことで、体毛を失い、皮下脂肪や乳房を発達、さらには浮力による直立二足歩行も可能になった上で、再び陸上に上がって進化したというもの。このとき、そのまま水中にとどまったのが、人魚だというわけです。

いずれにせよ興味深い仮説でしかありませんが、人魚は人類の祖先であり、伝説の存在ではなく、UMAとして語られるべきものなのかもしれません。

 

文=ムー語講師・こざきゆう

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