平成UMAと「ファンシー絵みやげ」~鹿児島編

文・写真=山下メロ

平成のファンシー絵みやげ

 

みなさんは平成のオカルトブームをおぼえていますでしょうか。令和の時代となり、ずっとそばにいた平成が、だんだんと懐かしいものになってまいりました。

昭和の終わりごろから平成初期にかけて日本全国の観光地を席巻していたものがあります。それが「ファンシー絵みやげ」です。

 

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「ファンシー絵みやげ」は1980年代から1990年代にかけて、日本中の観光地や温泉、スキー場などの土産店や観光施設の売店などで売られていた子ども向け雑貨みやげの総称です。

バブルが崩壊した1990年代半ばからだんだんと姿を消し、現在では見つけることが困難となっており、私、山下メロはその保護活動を行っています。

 

 

南国の和製ネッシーたち

 

平成バブル時代になっても、なぜか昭和にブームとなったUMAがイキイキと躍動している場所がありました。それは、そのUMAに関連する観光地の土産店です。全盛期を迎えていたファンシー絵みやげのキャラクターとして復活していたのです。

前々回は富士五湖のモッシー、前回は北国のトッシー&クッシーと和製ネッシーを次々に紹介していますが、今回は南国! 鹿児島県指宿市池田湖のイッシーが満を持しての登場です!

 

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ネッシーとは、スコットランドにあるグレートブリテン島最大の淡水湖・ネス湖で発見された大型の未確認生物の通称。700年ごろの記録にも登場しており、昔から目撃され続けているUMAです。1900年代になって増加した目撃証言や写真、映像によると首長竜のような大型生物だとされています。

 

日本では1970年代ごろにテレビや雑誌で紹介され、人気を博しました。そして、それまで同じように日本の湖で目撃されていた未確認生物が、「ネス湖のネッシー」と同じように、「池田湖のイッシー」「屈斜路湖のクッシー」など、「湖の1文字目+ッシー」という法則に従って名付けられるようになりました。

 

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さらに、もともと目撃されていた湖以外にも目撃報告が出たり、捜索したりと波及していき、あまりの人気の過熱ぶりに話題づくりの捏造が疑わしいほどでした。その真偽はさておき、そのブームも沈静化した1980年代以降はだんだんと忘れられていきます。

 

しかし、その頃の観光地には「ファンシー絵みやげ」が増殖していました。忘れられ、池の底で静かに過ごしていた和製ネッシーたちも、観光地で売る商品のモチーフとして再度引っぱり出されたのです。

 

 

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鹿児島県南部、指宿。ここは有名な砂風呂をはじめ、そうめん、長崎鼻、開聞岳など色々な観光スポットがあります。そのひとつがイッシーの目撃が相次いだ池田湖です。

 

 

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さて、池田湖の周辺には多数の土産店が存在しますが、そこにイッシーのファンシー絵みやげは存在するのでしょうか。ファンシー絵みやげモチーフになるキャラクターは、鹿児島県全体で「西郷隆盛」か「さつまおごじょ」が独占状態で、指宿も同様です。

 

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しかし、指宿の中でも池田湖だけは違いました。ここにはイッシー伝説がありますので、キャラクターとしてイッシーを使えるのです。当然のように池田湖畔だけは、独自のファンシー絵みやげが存在していたのです。

 

池田湖パラダイスではイッシーの像がお出迎え。
池田湖パラダイスではイッシーの像がお出迎え。

 

土産店が並んだ建物にもイッシーのイラストが。
土産店が並んだ建物にもイッシーのイラストが。

 

池田湖で目撃されたイッシーは、おおよそ首長竜のようなイメージでとらえられています。しかし、これまで見てきたモッシーやトッシー、クッシーはいずれもゴジラ風の、いわゆるステレオタイプな怪獣の雰囲気で描かれた例がありました。今回はどうなのでしょうか。

 

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さすがに湖畔に複数ある銅像などが示している通り、首長竜タイプになっていますね。右側のテレカでは子どもに限っては怪獣っぽい雰囲気になっています。「池田湖」の文字もギャートルズ風で、恐竜っぽさが出ています。そして「ISS+II」のように読める英語表記。おそらく「ISSHI」というローマ字表記なのでしょう。そして、左側はイッシーグッズにつけるタグなのですが「ITSHI~!」というスペルで書かれています。

 

 

スペルが混乱

 

ファンシー絵みやげといえば日本語をローマ字で書くのが特徴ですが、イッシーはローマ字にしづらいです。まず元が英語で、頭の「イ」は日本語です。それから、ローマ字では音引きの表記が統一されていません。

 

さきほどの「ITSHI~!」も、最後の音引きは「~」という日本語的表現です。促音「っ」を「T」で表現するのは英語的なのですが、ヘボン式ローマ字では「CH」の直前だけ「T」を使います。英語的ながら本家ネッシーの「NESSIE」ともかけ離れています。

 

では、ほかの商品はどうなのでしょうか。

 

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こちらは「ITSSHIY」と、かなり複雑なスペルになっています。

 

「ISSHI」「ITSHI~!」「ISSIE」「ITSSHIY」と、ここまで表記がバラバラなのも珍しいです。他にもまだまだ別のスペルが見つかりそうな気がします。「同じ表記を用いられない」というのも、何か意味がありそうでミステリアスさを演出していますね。

 

では、また次回。

文・写真=山下メロ

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