千葉県富津市に白い体毛の海獣UMAの死骸が漂着! グロブスターの謎

文・写真=ふじたいら

正体はトランコか?

今年、2019年の7月23日の夜、「富津市金谷にクジラの死骸が漂着した」と千葉の地元のニュース番組が報じた。

番組では、レポーターが通報者らにインタビューしている映像が流れる中、私は「たまにあるクジラの漂着か……」と思っていた。だが、次の瞬間、驚くべき物が目に飛び込んできたのだ!!  なんと、その死骸は全身が白い毛のようなもので覆われていたのである。

「これが本当にクジラの死骸なのか!?」

昔からUMAに関心がある私の脳裏には、〝怪物〟のふた文字が浮かび上がった。実際に確かめなくてはならない、と強く感じた私は、放送の4日後に現地に向かった。

 

漂着場所の情報は、金谷地区の岩場ということだけだったが、現地の聞き込みや市役所の情報から場所を特定することに成功した。しかし、漂着した海岸は、ある理由によりだれもが簡単に近づける場所ではなかった。だが、何とか海岸に出ることができた。

砂地に手を広げた指のように這う岩場を飛び越えていくと、独特の異臭が鼻を突く。異臭の先に怪物はいた!!

6月に富津市の海岸に打ちあがった全長約4メートルの謎の死骸。

 

写真をご覧の通り、どう見ても「白い毛が生えている巨大生物の死骸」だ。人が入りづらい場所のせいか、保存状態は良好だった。

時折、岩と岩の間に波が押し寄せて、怪物の頭と思われる部分から垂れ下がった白い体毛のような物を波が巻き込む。その毛は細いロープのようにも見えるし、溶け出した素麺のようにも見える。目やヒレのような物は確認できないが、尾のような部分は見て取れる。全身は、ほぼオフホワイトで背中部分のまばらな毛は茶色。全長を測ってみると約4メートル。尾と思しき周辺の一部は骨が露出していた。

尾ヒレと思われる部分は、鯨類のような双葉ではなくオタマジャクシの尾に近い。

 

取材後、本誌2017年5月号で紹介された、同年2月にフィリピンのディナガット諸島カグディアナオ海岸に打ち上げられたグロブスターの記事を思い出した。

グロブスターとは、グロテスク・ブロブ・モンスターの略で漂着UMAのひとつとして分類されており、その正体については、巨大水棲UMA「トランコ」が有力視されている。トランコとは丸みを帯びたクジラのような体で、体長は約15メートル。白くて長い毛が生えており、頭部のゾウのような長い鼻が特徴的である。1924年に南アフリカのマーゲート海岸で、シャチと激しく格闘している姿を海水浴客に目撃されたという記録が残っている。

そのフィリピンのグロブスターは、驚くほど金谷の怪物の死骸と酷似していた。しかし、白い体毛については「クジラの筋繊維」という見解があるらしい。実は、私は過去に2回、クジラの死骸を間近に見ている。だが、腐敗していても決してこの白い死骸のような状態ではなかった。

後日、私は再度確認のため、富津市役所農林水産課のM氏にこの死骸について聞いてみた。「実は海上保安庁から連絡が入ったのは6月21日で、今の場所に漂着したのが6月24日です」と。M氏は安全のための見回りで私より1か月も前にこの死骸を見ているらしい。続けて、「今よりは艶がありましたが毛も同じでした」という証言を得た。ということは1か月前の状態で白い体毛らしきものがあったということだ。ますますこの死骸はグロブスターである可能性が高まった。

とはいえ、やはり物的証拠がほしい。私は8月4日に再び現地へ。しかし、現場にはいくつかの白い皮膚の塊と腐敗臭だけが残され、死骸は流されてしまったようだ。一応、体の一部は採取できたので、機会あればしかるべき研究機関に分析を依頼したいと思う。

はたして、金谷に漂着した生物の正体は何なのだろうか。残念ながら、その亡骸は海の底に眠ってしまっている。

筆者が採取したグロブスターのサンプル。

 

(ムー2019年11月号より抜粋)

文・写真=ふじたいら

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