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「惨殺された叔母の通夜」/読者のミステリー体験

「ムー」最初期から現在まで続く読者投稿ページ「ミステリー体験」。長い歴史の中から選ばれた作品をここに紹介する。

選=吉田悠軌

惨殺された叔母の通夜

青森県/橋本千恵美(15歳)

 今から3年ほど前の夏、私の叔母さんが夫にガスコンロで殴られて死ぬという、悲惨な事件がありました。
 これは、その通夜の席で起きた不思議な出来事です。
 突然、殺された叔母さんの長女が、口から泡を吹き、目を白黒させて倒れてしまったのです。
 それで私の父が急いで彼女を布団に寝かせ、気つけ薬を飲ませたのですが、どうにもなりません。そのうち、今度はお経を読んでいたお坊さんが棺桶のほうへズルズル引き寄せられ始めたではありませんか。
 通夜の席にいただれもがその奇怪な光景に目をみはり、ただ青ざめているばかりでどうすることもできませんでした。お坊さんも懸命にお経を読んでいるだけでした。
 そして、何分たったでしょう。ついにお坊さんの体が棺桶にくっつきそうにまでなったとき、祖母が大声で叫びました。
「N子もうやめろ!」
 祖母が殺された叔母の名を叫ぶと、そのとたんに、泡を吹いて倒れていた長女がムックリと起き上がり、驚いて見守っている皆の顔を、逆にいったい何事があったのかというような顔で見回しました。
 そしてお坊さんはと見ると、もう棺桶のほうへ引き寄せられる力がなくなったのか、もとの席へ戻り、やはり皆と同じように青ざめて周囲を見回していました。


(ムー実話怪談「恐」選集 選=吉田悠軌)

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