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遠野の河童みやげと温泉街で発見した「かっぱ天国」の謎/山下メロ・平成UMAみやげ

バブルをまたいだ平成は、いわゆるオカルト事象がやんわりと世に受け入れられていた時代でもある。「ファンシー絵みやげ」研究家の山下メロが、当時を彩った”UMAみやげ”の世界をご案内。
今回は、岩手・栃木・北海道の「河童」を追う!

前回はこちら

文・写真=山下メロ

地方キャラの元祖「河童」

 イッシー、クッシーなどの湖沼UMA(この記事)、人魚や海坊主などの海洋UMA(この記事)……とくれば、次は河川で目撃されたUMAでしょう。日本の河川UMAとしては、河童が有名です。

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『水虎十弐品之圖』には多彩な河童の姿が描かれている。(国立国会図書館蔵)

 河童(カッパ)は、頭に皿を持ち、亀のような甲羅と、水かきのある手足、嘴のような口……といった姿で描かれます。河童は妖怪として語られることも多いのですが、実際には目撃談も多数あるのです。

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 岩手県遠野市には河童の顔ハメ看板があります。遠野の河童は赤いのが特徴なので、左は赤……いやピンク。右は緑になっちゃってます。

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いたるところに河童が使われています。ちゃんと赤い……いやピンク。

 遠野市の公式キャラクターもカッパの「カ」と、旧・遠野市の花リンドウの「リン」を組み合わせた名前の「カリンちゃん」という河童モチーフ。しかし、もともとはファンシー絵みやげキーホルダーなどで使われていました。

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カリンちゃんは遠野のキャラなのに緑色……ただし「くるりんちゃん」という赤……いやピンクの女の子キャラが後に生まれました。

 もともとこのイラストのようにリンドウの花を持っていて、背景は南部曲り家でしたが、2005年に旧・宮守村との合併があり、旧・宮森村の花・ヤマユリが遠野市の花となり、現在ではヤマユリ持っていて、背景はSLがメガネ橋を渡っているイラストに変わっています。

 他にも、かつて売られていたファンシー絵みやげのキーホルダーを見てみましょう。

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 遠野だけでこれだけ見つかっています。実際にはもっともっとあったことでしょう。かつてのカリンちゃんも、いろんなタイプのキーホルダー展開をしていたことがわかります。しかし、どれも緑色です。他の地域の河童イラストを流用してしまったのでしょうか……。

いざ、かっぱ渕へ!

 遠野で有名な河童スポットは「かっぱ渕」でしょう。

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 常堅寺の奥へ進むと……

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 かっぱ渕橋を越ると……

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「かっぱ渕」にたどり着きました。遠野市はカッパ捕獲許可証を発行するなど「河童による町おこし」に意欲的に取り組んでいます。その重要な場所が、盛岡バスセンターの2階でした。その重要な場所が、かっぱ渕でした。しかし辺りを見回しても河童が見当たりません。

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かっぱ渕に置かれた河童の像。塗装がかなり落ちているようですが、顔のあたりにほんのり赤銅色が残っています。

 唐突に「この先にかっぱさんは居ないようです」という表記。そこまで河童の生態を把握できているのでしょうか。

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「まぶりっと(守人)」による手書きの注意喚起もあります。

 しかし、かっぱそのものは、まったく見つかりませんでした。

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 それでも、ファンシー絵みやげの捕獲には成功しました。カリンちゃんの星型キーホルダーは、なんと現地で購入できたのです。緑色ですが。


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岩手県遠野市のミニ提灯。遠野に伝わる河童は体が赤いのが特徴なのですが、イラストはほぼ緑です。

 このように遠野では河童をモチーフとした土産品が多数存在します。他にも「ファンシー絵みやげ」のフォーマットで描かれたものもありました。

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河童野郎と書かれているミニ提灯。

 ある意味「未確認観光地みやげ」になりかけているほどに見つからないファンシー絵みやげ。UMAを探すような気分で探してみてはどうでしょうか。

日光と札幌に温泉河童がいる!

 では、他に河童の伝説がある場所はどこなのでしょうか。

 全国に河童ないし、その仲間は分布していますが。調べてみると、栃木県日光市の湯西川温泉に河童の伝説が残されているとわかりました。まずは手持ちの湯西川温泉のコレクションを見てみましたが……

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 クマ、そして忍者のファンシー絵みやげキーホルダーのみでした。河童モチーフの商品があったかどうかは、今後の発掘調査で明らかにしていくしかありません。

 さらに同じ温泉でいえば、今度は北海道札幌市の定山渓(じょうざんけい)温泉にも河童伝説があるということで行ってみました。

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「かっぱの宴」という貼り紙が見えます。

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ピンク色の爪切り。「Jozankei」の英字の配置方法が凝っています。

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二頭身にデフォルメされた立体のキーホルダーです。

 このように、確かにありました。しかし自分の定山渓温泉コレクションを見ても他はヒグマやキタキツネといった北海道定番キャラクターばかりです。

箱根「かっぱ天国」での出会い

 そんなこんなで、神奈川県の著名な観光地である箱根に「かっぱ天国」という場所があることをキャッチしたので現地に赴きました。

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 着きました。箱根湯本駅すぐ目の前にある「かっぱ天国」。かわいい河童のイラストがお出迎え。ですが、どうも居酒屋の看板風です。さらに奥へ行ってみましょう。

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 露天風呂の文字! ここは温泉施設でした。やはり温泉と河童は関係が深いのですね。右にあるフロント案内看板にも「KAPPA TENGOKU」とローマ字日本語表記があります。これはファンシー絵みやげ的にも期待が高まるところです。しかし、箱根湯本にも河童伝説があるのでしょうか……

 そして、我々調査班は現地でとんでもないものを目撃しました。

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 なんと栃木県・湯西川のペン立て! コレクションにもなかった湯西川温泉のファンシー絵みやげは実在したのですね! そして岩手県遠野市のかっぱ栓抜き(ヘン抜き)キーホルダーも一緒に。「かっぱのふるさと」と「民話のふるさと」。遠く離れた岩手県、そして栃木県のものが神奈川県西部に……

「かっぱ天国」の謎は深まります。
 詳しくはまた次回!


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