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死後の意識、トランプと黒魔術、宇宙の始まりに迫る……など7冊選定/ムー民のためのブックガイド

「ムー」本誌の隠れ人気記事、ブックインフォメーションをウェブで公開。編集部が選定した新刊書籍情報をお届けします。

文=星野太朗

死後も生きる〈意識〉 ここではないどこかへの旅/ピーター・フェンウィック エリザベス・フェンウィック 著

死をめぐる謎の解明に科学的手法で挑む

 人は死んだらどうなるのか、という問題は、人類にとって永遠の課題である。あらゆる宗教や哲学の根幹を成すのが、死をめぐる謎である。
 本書の著者であるフェンウィック夫妻は、医師という立場を活用してこの謎の解明に挑んだ。彼らの研究手法は、主にふたつ。ひとつは、緩和ケアに携わる看護師や医師、ホスピスや介護施設のスタッフなどを対象とした広範な聞き取り調査である。
 この調査の結果、職業として常に人の死とかかわる人、あるいは近親者を亡くした人の多くが、死者にまつわる奇妙な出来事を体験しているという事実が明らかとなった。
 たとえば「臨終期視像」。これは死の迫った人が、親しかった故人の姿を見るという現象である。また「臨終期暗合」は、ある人の死の瞬間に、別の場所にいる人がそれを感じ取るという現象だ。こうした事例は医学界ではほとんど無視されているが、実際に現場で働く人の間ではよく知られた現象だという。本書には、著者夫妻が収集したこれらの現象の事例がこれでもかと満載されている。
 夫妻のもうひとつの研究手法は、サウサンプトン病院の冠状疾患集中治療室で心肺停止に陥り、蘇生措置によって生き返った人を対象とする「臨死体験」の調査である。一般に臨死体験は、体験者のそのときの状況が千差万別で、なおかつ体験の内容もかなり時間を経た後の回想が主体であることから、客観的な調査研究が困難な分野であった。それを著者らは、研究対象を同一の病院の集中治療室の患者群に絞り、また蘇生直後に即時的に聞き取りを行うことで、この問題を克服したのである。
 その結果、被験者となった患者の10パーセントが、心肺停止中に何らかの臨死体験をしたことが判明した。
 これらの膨大な研究から、夫妻は人間の意識が「通常考えられているように個人の脳のみに限定されるものではなく、むしろ一種の〈場〉であって、脳の外の領域へ広がって」おり、「肉体の死後も何らかの形で生き延びる」と結論したのだ。
 純然たる科学的手法により、意識の死後生存が確認されたとすれば画期的なことだ。死が「終焉」ではなく単なる「移行」に過ぎないのなら、もはやそれを恐れる必要はどこにもない。人類にとっての福音ともなりうる書物だ。


浅川嘉富・保江邦夫 令和弍年天命会談/浅川嘉富 保江邦夫 著

「令和弐年」の世界をテーマに真摯に語り尽くす

 本書の著者のひとりである保江邦夫氏は量子脳理論の「治部・保江アプローチ」の開拓者として、世界的に有名な理論物理学者である。だが一般的な「科学者」のイメージとは裏腹に、スピリチュアルな思想・言動でも知られている。本欄でも先般、保江氏と医師・松久正氏との対談本を紹介したが、本書はそれに続く氏の対談シリーズの第2弾。迎えるゲストは、地球・先史文明研究家として本誌読者にもお馴染みの斯界の大御所・浅川嘉富氏である。
 浅川氏は世界中の秘蹟にみずから足を運び、文字通り「命懸け」の姿勢で謎の解明に邁進してきた実践的研究家。また、龍神の一種である「金龍様」の加護を受ける人物でもある。
 そんなふたりが、未曾有の危機を目前にした「令和弐年」の世界をテーマに真摯に語り尽した本書は、まさに生ぬるい日常を漫然と過ごす多くの日本人の頭をどやしつけ、強制的に覚醒を促す警世の書である。
 著者らがこれまでに体験してきた不思議な出来事に始まり、話題は多岐に及ぶが、特に現在、人間に猶予を与えるために懸命に富士山噴火を押し止めているという龍神様の話や、皇室への侵入を図って日本の霊的伝統を破壊しようとする某宗教団体の陰謀の話などは、文字通り全日本人が共有すべき貴重な情報であろう。
ますます厳しさを増す今年の後半をどう生きぬくか。本書を道しるべとして、読者のひとりひとりが自分自身で覚悟を決めていただきたい。


しきたりに込められた日本人の呪力/秋山眞人 著

「しきたりの持つ意味」を呪術として活用する実用書

 日本人の生活に自然に染みついた年中行事や冠婚葬祭、諺(ことわざ)や日常の所作にまで至る、さまざまな「しきたり」。長い歴史を経て連綿と受け継がれてきたこれら「しきたり」には、当然ながら古人の深遠な叡智が秘められている。
 本書は、およそ考え得るありとあらゆる「しきたり」を採りあげ、その本来の意味を解き明かす実用書だ。それも、たんに「これこれのしきたりにはこういう意味がありますよ、終り」ではない。なぜそんな意味が生じたのか、そしてより重要なことに、読者がその「しきたりの持つ意味」を呪術としていかに活用し実践していくかという点に主眼が置かれている。凡百のしきたり解説本や民俗学本とはまるで異なる視点だ。
 著者の秋山眞人氏は本誌読者ならだれでもご存じの、日本を代表する超能力者である。さらに、国際政治や経済、精神世界など幅広い分野で活躍するジャーナリストである布施泰和氏が「協力」としてクレジットされている。実は次項で紹介する『オアスペ』もまたこのふたりの作品で、同時期に2冊、それもまったく主題の異なる、重厚な内容の著作を執筆するなど、とても人間業とは思えない。何らかの超能力の介在を措定せざるを得ない所以である。
 ともかく日本国民たる者、一家に1冊本書を買い求め、常に手許に置いて、ことあるごとに参照すべし。そうすれば、実践者の霊的資質は間違いなく向上するはずだ。


世紀の啓示書 『オアスペ』の謎を解く!/秋山眞人 布施泰和 著

アメリカ版『霊界物語』ともいうべき啓示文書を紹介

 時は19世紀末。アメリカの歯科医ジョン・ニューブローは、天使からの啓示を受け、当時発明されたばかりのタイプライターを使って「自動書記」を開始。1年に及ぶ作業の末、『旧約聖書』のじつに1.5倍に及ぶ膨大な啓示文書を完成させた。それが『オアスペ』である。そこには「天使が明らかにする地球創生期の真相や、人類誕生と人類史の秘密、地球を統治した神々の記録など」が詳細に記されていた。
 本書は、アメリカ版『霊界物語』ともいうべきこの啓示文書を、秋山眞人氏と布施泰和氏のコンビでつまびらかに紹介するものだ。執筆は専ら布施氏が担当。『オアスペ』の本文を読解しながら、要所要所で秋山氏に質問し、それに対して秋山氏が肉声で答えるという形式で、難解な内容がじつに解りやすく整理されている。正直、『オアスペ』の本文はそれこそ「黙示録」と同レベルで意味不明な代物なのだが、両氏の見事な手腕ですんなり理解できてしまうのだ。
 たとえば、神々が25万機の大船団で地球を取り囲み、「パン」と呼ばれる大陸を沈没させる場面。何と秋山氏も前世でアトランティス滅亡の現場に居合わせたことがあり、『オアスペ』に書かれた通りのことを実際に体験したという。これ以上心強い案内人がいるだろうか?
 スピリチュアルや古代史に関心のある人は、ぜひ本書を読んで驚愕してほしい。比類なき知的興奮と霊的衝撃に圧倒されることをお約束する。


世界現代怪異事典/朝里樹 著

『日本現代怪異事典』の舞台が日本から世界へ

 一昨年の本欄で「素直に脱帽するしかない」「畏るべき労作」としてご紹介した本がある。朝里樹氏の『日本現代怪異事典』だ。業界的に厳しい状況の中、同書は何と4万部を突破するベストセラーとなったというから、評者としても御同慶の至りである。あのとき、評者は同書に対して「年鑑のように毎年増補して新版を出しつづけてほしい」などと身勝手な無茶振りをしたが、その願いが天に通じたのか、何と著者は2年ぶりに、同書をさらにパワーアップさせた労作を届けてくれた。それが本書『世界現代怪異事典』である。
 前著の読者の方なら標題だけで内容がお察しいただけるだろうが、本書は舞台を一気に日本から世界へと広げ、「主に20世紀以降の時代を舞台に語られた、現時点では常識から外れているものや、明確にその実在が証明されていない存在や現象」を集成したもの。具体的には、①幽霊や妖精などの都市伝説 ②未確認生物 ③インターネット上で語られる怪異 ④実在する体裁で文献に記された架空の生物 ⑤北米開拓期の民話で語られる不思議なものの5種類、総計806項目に及んでいる。
 また、特別寄稿として飯倉義之、伊藤龍平、一柳廣孝の3氏による興味深いエッセイも収録され、至れり尽くせりの内容である。
 なお、著者は前書の姉妹編として、『日本現代怪異事典 副読本』も上梓している。ここに併せてご紹介しておきたい。


トランプ時代の魔術とオカルトパワー/ゲイリー・ラックマン 著

トランプ政治の背後に蠢くオカルトの潮流を論じる

 今から4年前、世界を震撼させたドナルド・トランプのアメリカ大統領就任。大番狂わせといわれたこの選挙、トランプ勝利の要因のひとつが「ケイオス・マジック」と呼ばれる魔術的な力の作用であった、と著者はいう。トランプ政権で首席戦略官兼上級顧問を務めたスティーヴ・バノンなる胡乱な人物が「ホワイトハウスにケイオス・マジックを持ち込んだ」というのである。
 本書は、トランプ政治とそれをとり巻く状況の背後に蠢くオカルトの潮流を精緻に論じた大作である。古今東西の秘教史上のさまざまな思想や事象を自由自在に引用する著者の博覧強記ぶりにはまさに驚嘆の一言。並みの本の10倍はあろうかと思える圧倒的な情報密度は凄絶で、読むだけで情報量のビンタを食らったような気分になる。
 「オカルト・ポリティクス」を主題とする研究書であるが、同時に秘教の歴史を通覧する百科全書ともなり、ネット時代における魔術を概観する案内書にもなる。そうした多様な読み方を許容するのも本書の魅力。
 ところで、プロフィールによれば著者ラックマンは、かの殿堂入りロックバンド「ブロンディ」の創設メンバーだったという。記憶にない名前なので調べてみると、ベースのゲイリー・ヴァレンタインの筆名であった。なるほど、確かにビートルズやドアーズの昔から、ロックと魔術は切っても切れない関係であったことが改めて思い起こされた。


宇宙の始まりに何が起きたのか/杉山直 著

宇宙マイクロ波背景放射に見られる温度ゆらぎ

 1992年4月、NASAの宇宙背景放射探索衛星COBEが、「宇宙マイクロ波背景放射に見られる温度ゆらぎ」を発見した。かのスティーヴン・ホーキングをして、「史上最大の発見か、少なくとも今世紀最大の発見」と いわしめた画期的なものであったが、そういわれても何がどうすごいのか、まったくピンと来ない人でも大丈夫。そういう人のためにこの本はある。
 本書を一読すれば、このゆらぎを生みだした宇宙最初期のインフレーション(ビッグバン以前にあった現象)から、現在知られている銀河や銀河団、宇宙の大規模構造などがどのように生じたのか、素人でもすんなり解る。
 著者の杉山直氏は、名古屋大学大学院教授。COBEの発見の報せを受けて、米国天文学協会の機関誌に世界で初めて論文を寄稿した、えり抜きのエキスパートである。そんな超一流の専門家が、自分の愛して止まない専門分野について、一般人向けに愛情たっぷりに語っているのだ。その話に耳を傾けるのは、まさに読書家に許された至高の愉悦である。
 最先端の宇宙論とはいえ、難解な数式などは登場せず、むしろ個性溢れる天文学者や物理学者たちの逸話がふんだんで、思わず惹きこまれる。著者自身のカリフォルニア大学バークレー校客員研究員時代の話など、向学心に燃える若者たちへの格好の刺激となるだろう。本書をきっかけに、多くの青少年が学問への志を抱いてくだされば幸甚である。


(月刊ムー2020年9月号掲載)


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