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フェルミのパラドックスと”早い者丸得勝ち”仮説の話など/南山宏・ちょっと不思議な話

「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2018年9月号、第413回目の内容です。

文=南山宏


早い者丸得勝ち

 天文学者や天文通ならおなじみの〝フェルミのパラドックス〟とは、イタリアのノーベル賞物理学者エンリコ・フェルミが提起した「(宇宙にこれだけ星があるのなら)彼らはどこにいる?」という壮大な哲学的疑問のことだ。
〝彼ら〟とは〝異星人〟つまり人類のような文明生物を意味する。
 フェルミが1950年に提起したこの設問に対しては、以来さまざまな解答が公表されてきた――
* 宇宙の文明生物は地球人類だけ。われわれは孤独な存在だ。
* 異星人が地球到来、各地に証拠を遺した(太古宇宙飛行士説)。
* 異星人が到来し、各地で発見・目撃されたが、各国政府が隠蔽した(地球外文明UFO飛来説)。
* 異星人が到来し、極地や僻地または都会に潜伏。あるいは地球生命体に擬態して正体を隠した。
* 異星人が太古に到来して文明を建設。われわれ人類は彼らの末裔にあたる(太古宇宙飛行士説)。
* 異星人はわれわれよりはるかに高等で、地球を保護・観察・使役の対象にする(地球動物園説、地球保護区説、地球人類家畜説)。
* 異星人は到来したが、ケイ素生物、フッ素生物、異次元生物、精神生命体などで、われわれには〝異星人〟と認識できない――
 だが、今年6月初め、ロシアの国立電子技術研究大学の理論物理学者アレクサンデル・ベレジン教授は、地球人類にとってはもっともありがたくない戦慄すべき最新仮説を、ネットの科学論文投稿サイト「アーカイヴ」で発表した。
「宇宙で最初の文明を築き、宇宙征服に乗りだす異星人は、建設業者がじゃまな蟻塚を良心の呵責など感じずに片づけて整地するように、劣等種族を必要に応じ出身惑星もろとも絶滅させるだろう!」
 教授はこの新学説を〝早い者丸得勝ち(ファーストイン・ラストアウト)〟仮説と名づけている。


溺れるペンギン

 カナダはアルバータ州カルガリー動物園の飼育員たちは、信じられぬ面もちで顔を見合わせた。
 2016年12月8日の〝ペンギン飛び込みショー〟に出演したフンボルトペンギン22頭のうち、なぜか7頭だけが、水中にドボンと飛び込んだきり浮かび上がれなくなり、いつものように水面に顔を出して息継ぎすることができずになんと〝溺れかけ〟たのだ!
 水中で何かに驚いてパニック発作を起こした可能性もなくはないが、あいにく水中にまでは監視カメラが設置されていなかった。
 この不可解なペンギンの〝溺れかけ〟現象が目撃されたのはその日のそのときだけで、それきり二度と起きなかったため、原因はとうとうわからずじまいだった。


幽霊十字路

 去年の12月ごろから、タイ王国南部ナラティワート県内のペチュカセム・ハイウェイを走るトラックや車やバイクの運転者たちは、とあるインターチェンジを通るのはなるべく避けたほうがいいぞと、仲間うちで警告しあっている。
 地元では〝幽霊十字路〟と呼ばれるようになったそのインターにさしかかると、目に見えぬ力にハンドルを取られたり、理由もなくブレーキが利かなくなったり、計器がおかしくなったり、エンストが起きたりというトラブルが相次いだ。
 あげくには、道端にひざまづいて車中をじっと見上げる無気味な男女の幽霊まで目撃されたのだ。
 100人ほどの地元住民が集まって、僧侶に悪霊祓いの儀式をしてもらったもののなんの効き目もなく、その後も同インター付近では、幽霊事件が起きつづけている。


ラッキーホール

 アマゴルファーのマイケル・ビドミード氏(72歳)と友人のミロス・ビリック氏(51歳)は、イギリスのオックスフォード・ゴルフクラブの15番ホール、201ヤード(パー3)で、わずか数秒の時間差をつけただけで、みごとに連続ホールインワンを達成した。
 ふたりともそのとき使ったのは6番アイアンで、先にティーショットを打ったのはビリックだった。
 打った位置からは、あいにくグリーンが低すぎて見えなかったので、ボールがどう動いてカップインしたかは見届けられなかった。
 統計学専門家によれば、こんな奇跡が起きる確率は、1700万分の1よりも遙かに低いそうだ。
 ちなみに同じ日のもっと早い時間にも、別のクラブメンバーがホールインワンを記録していたそうで、そうなると確率の数字は天文学的に跳ね上がることになる。


わるものピエロ

 ドイツはノルトライン=ヴェストファーレン州の小さな町ダッテルンで、ピエロ姿のカップルが通りをわがもの顔で走り回っては踊り跳ね、通りかかった車が次々によけようとして大混乱になった。
 ピエロのカップルはその場で逮捕され、2017年6月、レックリンクハウゼン市で裁判にかけられて、危険往来罪を科された。35歳のエミリア・シュレーダー(仮名)は6か月間の保護観察を宣告され、27歳のパートナー、ベルンハルト・ギュンター(仮名)は、1000ユーロ(約13万円)の罰金刑を課された。
 ちなみに2017年夏のシーズンにヨーロッパで流行った〝悪者(イーヴル)ピエロ出没〟騒動で、これがドイツにおけるハシリとなったとされる。


33年目の遅配

 フランスで投函されたそのハガキは、33年もたってからやっと昨年、オランダの田舎町グランネルブルクに住むルネ&ミランダ・ダムフイス夫妻の住所に届いた。
 ハガキを出したのはルネの兄エドアルトで、1984年バカンス旅行でフランスのアネシー湖に出かけたとき、旅先で投函したもの。ハガキの宛先は、ダムフイス氏の2006年に他界した、母親アンナさん宛てになっていた。
 ダムフイス家はその33年の間に転居していたが、とはいえ同じ町内だったので、郵便配達員は難なく移転先に辿りつけたのだ。
 オランダの郵政当局は首をかしげる。平均年に一度は、ハガキや封筒の配達が郵便システムのどこかで引っかかり、数年遅れてやっと宛先に届く例はあるという。
「でも、こんなに長い年月のかかった遅配は初めてだ。なぜこれほど遅れたのか、さっぱりわからない


(ムー2018年9月号掲載)


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