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天文学者が4億5000万年前から4億2000万年前の地球文明を語った話など/南山宏・ちょっと不思議な話

「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2019年11月号、第427回目の内容です。

文=南山宏

タイタニックの鏡

 英スタフォードシャー州ストークで、2018年12月、有名な豪華客船タイタニック号のエドワード・スミス船長の実家に代々伝わる鏡台が、オークションに出品された。
 タイタニック号は1912年4月14日、英サウサンプトンから米ニューヨークに向かう処女航海で氷山と衝突、大西洋に沈没して死者1514人を出し、当時の海難史上最悪の事故とされている。
 競売にかけられた鏡台は、スミス船長宅の家政婦エセルワイン某が譲り受け、子孫が代々大切にしてきた遺品で、毎年タイタニックが沈没した日にだけ、彼女の雇い主とおぼしき姿が現われるという都市伝説めいた話がついている。
 ただ「ザ・サン」紙2018年11月9日付によるかぎりでは、いくらで買い手がついたのか、またその買い手がどこのだれなのかは、目下のところ公表されていない。


私はイエス

 トルコはアンタルヤのとある小学校で、教師のエミル・ブン・アルカリム(仮名)がふざけて「私はイエスである。もうすぐこの世の終わりがくるだろう!」と重々しく告げるやいなや、生徒たちは怯えていっせいに泣きだした。
 2019年4月24日付の「メトロ」紙によれば、アルカリム先生は〝神を冒涜する妄言〟で教え子たちを惑わした罪に問われ、無期限の停職処分を受けた。


波高記録

 ブラジル人サーファーのロドリゴ・コーシャは、2017年11月23日、ポルトガルのナザレ海岸沖合で、高さ24メートルに達する巨大な高波をサーフィンした。
 2018年5月9日、ニュージーランド南方約700キロにあるキャンベル島付近に設置されたブイ(観測用浮標)には、南半球最大の高さ23.8メートルの波が記録され、2012年に記録された従来の22メートルを上回った。
 現時点における波高の世界記録は、1958年にアラスカを襲った津波の30メートルとされる。


人類前文明

 われわれ人類以外の知的生命体はどこにいる? という哲学的疑問に対しては、まず広大な宇宙に答えを捜すのが常道だろう。
 だが、ひょっとしてわれわれが存在するこの地球上でも、人類が出現するはるか以前の太古の時代に、別種の知的生命体が文明を築いていた可能性はないのか?
 SF作家ではなく科学者として史上初めてこの新らしい作業仮説〝シルル紀文明説〟を提起したのは、米ペンシルヴェニア大の天文学者ジェイソン・ライト博士。
 地質年代上シルル紀とは、古生代の約4億5000万年前から4億2000万年前の時代をさす。
 NASAゴダード宇宙研究所の所長で気候学者のギャヴィン・シュミット博士も、この新仮説検証の科学的有意義性を認める。
「人類文明以前の産業文明が太古の地球上に存在したとすれば、地殻変動によって地表からは跡形なく消滅したとしても、地中の堆積層の中に、何らかの痕跡ぐらいはまだ残っているかもしれない」
 ライトもシュミットも同じ観点から口をそろえて主張する。
「例えば、建造物の廃墟や機械装置の残骸など文明活動を直接裏づける事物の発見はありえないとしても、生産活動を示唆する非自然的な産業廃棄物や核エネルギー開発を裏づける人工放射性物質などがごく微量でも見つかるなら、シルル紀に高度の技術文明が存在した確実な証拠となるだろう!」
 それにしても人類出現のはるか以前に地球上で繁栄した(かもしれない)仮想上の〝人類前文明〟を築いた知性体としては、どんな生物を想定できるだろうか?
 ライトもシュミットもそこまでは空想を拡げていないが、海中に誕生した生命体が陸上にも進出しはじめたシルル紀の地球に、もし技術文明が存在したとすれば、その疑問の答えはひとつしかない。
 広大な宇宙のどこかに生まれた別種の先進生物が、何らかの時空移動手段で地球に到達し文明を築いたものの、何らかの原因で滅亡したか、または何らかの理由で再び地球から去ったことになる。
 もちろんそれを裏づける科学的証拠が実際に地中から発見されないかぎり、この仮説はあくまでもただの作業仮説にとどまるが――


アマゾンの穴男

 昨年7月23日付「スミソニアンマグ・ドットコム」によれば、ブラジルの先住民文化保存が目的の〝国営インディオ財団〟は、アマゾン熱帯雨林地帯に独りで隠れ住んでいる謎の先住民を、ここ22年間一定距離を置いて近づかぬようにしながら観察しつづけている。
 男は用心深い性格なのか、住み家を転々と変えるが、捨てられた居住跡には決まって穴が掘られているので、財団関係者からは〝穴男〟の異名も奉られている。
 いつも腰布1枚の半裸男の存在が最初に確認されたのは1996年。当時は逞しい青年だったが、今では50前後の初老に近い。目撃されるときはいつも独りきりで、家族や部族の仲間はいないらしい。
 典型的な〝ボッチ男〟のようなので、最近では〝世界一のロンリーマン〟とも呼称されている。
 関係当局者によると、アマゾンには文明世界とは無縁な未接触の部族が、少なくとも113グループは存在するとされている。
 彼らは生活や狩猟採集を集団で行なうのが普通だが、〝穴男〟は部族間戦争か疫病で仲間を失ったか、あるいはタブーを破って村八分にでもされたのだろうか。


DV?

 西オーストラリアはワネルーの住民から通報を受けて急派された警官隊は、思いがけない状況に拍子抜けして立ち往生した。
「こん畜生、どうしてさっさとくたばらねえんだ? この野郎!」
 子供の悲鳴と繰り返される男の怒鳴り声に、心配した隣人が通報したのだが、警官たちが目撃したのは、父親が子供を虐待するDV(ドメスティック・バイオレンス)ではなかった。
 警官が駆けつけたのでびっくりしながらも、男はこうこぼした。
「子供がクモを見てキャーキャー騒いだんで、叩き潰そうとしたんだが、どうしてもうまくいかないんで、つい怒鳴っちまったんだ――」


(ムー2019年11月号掲載)

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