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カタツムリの帰巣本能をひと晩かけて観察した話など/南山宏・ちょっと不思議な話

「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2018年8月号、第412回目の内容です。

文=南山宏


妄想市長

〝パラレルワールド〟といえば、SFジャンルの小説や映画やアニメなどでよく使われる設定としておなじみだが、近年、その実在性を裏づける現象として〝マンデラ効果〟なる不可思議な現象がしばしば言及されるようになった。
 語源となったネルソン・マンデラ氏は、1990年代に南アフリカ共和国で活躍した英雄的な反体制政治家としてつとに知られる。
 反アパルトヘイト(黒人隔離政策)運動を推し進めて、1964年に国家反逆罪で投獄されたが、獄中生活27年目に国内国外の支援者のおかげで釈放を勝ち取ると、1991年には第11代全アフリカ民族会議議長に就任した。肌色の差別なく平和的な民族融和政策を推進し、1993年にはノーベル平和賞を受賞、さらに翌年、南ア初の黒人大統領に選ばれて、その名が世界中に知られるようになったが、1999年の総選挙を最後に政界から身を引くと、ヨハネスブルグの自宅に引き籠もり、2013年に95歳の長寿をまっとうして平穏に世を去った。
 ところが、当のマンデラがまだ存命中だった2010年、アメリカの系譜学者で超常現象研究歴も40年と長いフィオナ・ブルームという女性がこういいだしたのだ。
〝1980年代に南アの刑務所でマンデラが獄中死〟というニュースを、以前確かに見たわ!」
 だが、周囲のだれもが否定するので、ひょっとしたら自分だけの記憶違いかもと不安になったフィオナがインターネットでこの〝記憶違い〟を告白したところ、「私も〝マンデラ獄中死〟のニュースを確かに見た憶えがある!」と名乗りでる男女が、われもわれもと世界中から現われたのだ。
 フィオナはこの不可解な現象を〝マンデラ効果〟と名づけ、超常現象研究家らしくこう説明した。
「これは単なる〝記憶違い〟ではなく、実は宇宙がもともと多元世界構造になっていて、互いによく似た世界の〝歴史時間線〟同士がしょっちゅう交錯し、世界が入れ替わったり、住人が移行したりしているのだが、当人はそれに気づかず、〝記憶違い〟したと思い込まされているだけなのだ!」
 本誌の愛読者なら、マンデラ効果あるある、とすぐさま納得?


盗難空港

 フランスは首都パリのシャルル・ド・ゴール国際空港内で、氏名不詳の男性容疑者がまんまと大金を盗みだすと、行方をくらませた。
 被害に遭ったのは、空港ターミナルビル2階の金融管理会社〝ルーミス〟のオフィスで、運悪くその瞬間は来客がひとりもなく、勤務中の社員も全員席を外していたうえ、不用心にも自動開閉ドアがロックされないままだった。被害総額は約30万ユーロ(約3900万円)と見られ、空港警察が監視カメラをチェックしたところ、50がらみの中年男がおそらく現金を入れた重そうなバッグ2個を両手に提げて、開いたドアから堂々と出てくる姿が写っていた。
 犯人の男の顔つきと風体は、空港近くでゴミ箱を漁ったり、ボロ毛布に寝ていたホームレスらしいが、「BBCニュース」紙2017年12月13日付によれば、報道時点では捕まっていない。


カタツムリの帰還

 英国エクセター大の生物学者デーヴ・ホジソン教授は、大学構内の庭園の4隅からカタツムリを65匹採取すると、それぞれ青、赤、オレンジ、ピンクの4色に塗り分けて放置し、一昼夜ぶっ通しで撮影する観察実験を行った。
 それとは別に、地元コーンウォールの別の地点で採取して緑色に塗ったカタツムリのグループも、実験対照群として用意された。
 するとカタツムリたちは、恐らく帰巣本能の不思議なはたらきで、庭園のカタツムリはそれぞれの色が示す庭園の4隅を目指し、緑色のグループも、彼らが採取された元の場所目指して帰路についた。
 昨年6月25日付「サンデーテレグラフ」紙によれば、彼らの這い進むスピードは、1日25メートル弱という超低速度だったが、それでも迷子になるカタツムリは、ただの1匹もいなかった。


奇跡のトルティーヤ

 ホンジュラスはダンリのイリス・カステラノスさんの家に、聖なる奇跡が起きて、巡礼者たちが列をなすようにして訪れている。
 2017年6月21日、イリスは夕食のテーブルで、大皿に載せた手製のトルティーヤを食べようとして、あっとフォークを取り落とした。
 トルティーヤの表面に、どう見てもイエス・キリストそっくりの画像が浮かびでていたからである。


オーロラテロ

 東欧の小国ジョージアの首都トビリシの街頭で、2016年10月27日、自称テロリストのマイケル・マンシル(30歳)とジェームズ・ドライデン(22歳)が警察に逮捕され、アジトに隠し持っていた大量の武器弾薬が押収された。
 彼らの自白によると、所持の目的はアラスカの高度気象施設HAARP(高周波活性オーロラ調査プログラム)の完全破壊だという。
 オーロラ調査はあくまでも表向きにすぎず、この米政府施設の正体は巨大地震を人工的に誘発する秘密地震兵器だと、世界の陰謀論者たちはかねがね主張している。


ヘッドロック

 ディラン某とだけしか名前のわからない19歳の少年が、早朝4時ごろ、頭にきつい圧迫痛を感じて目覚めると、テントの中で大きなクロクマに頭を咥えられていた
 2017年7月の初め、米コロラド州ボウルダー付近のサマーキャンプ場でバイトをしていたディラン少年の耳には、頭を咥え込まれたまま寝袋から引きずり出されるとき、クマが歯をガリガリと嚙み鳴らす無気味な音まで聞こえたという。
 クマの歯牙が頭にぎりぎり喰い込む痛みにふとわれに返ったディランは、無我夢中でクマの鼻面にパンチを喰らわせ、両目に指を突っ込みながら、必死の大声でキャンパー仲間に助けを求めた。
 3.6メートルほど引きずられたところで、クマはたまらずディランを口から落とすや、あたふたと森林地帯に走って姿を消した。
 ディランは病院で治療を受けたが、たいしたケガはなくてすんだ


(ムー2018年8月号掲載)


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