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2種類の創刊準備号といきなりの消滅危機/「ムー」回想録

1979年に創刊され、2019年に40周年を迎えた「ムー」。その歴史を振り返れば、けっして順風満帆ではなかった……。

文=編集部N

創刊準備号の小さな「ムー」

 1979年10月9日――この日は「ムー」創刊号が書店に並べられた記念すべき日だが、今回はその前夜の話である。
 実は「ムー」には創刊準備号的な冊子が存在する。全64ページでA7判。2種類あり、中身はほぼ同じだが、表紙の文字レイアウトとキャッチ、巻末から裏表紙に至る広告記事が異なる。

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「高2コース」の付録としてつけられた「スーパーミステリー百科」。「ムー」のロゴも名前もすでにある。カバーアートは生賴範義氏。

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書店に販売促進用として配られた小冊子の「ムー」。

 最大の違いはタイトルで、ひとつは「スーパーミステリー百科 ムー」。「ムー」の文字がどことなく遠慮がちなのが印象的だ。もう一冊は現在とまったく同じ「世界の謎と不思議に挑戦する ムー」――ロゴも大きくて誇らしげになっている。
 前者は「高2コース」10月号第3付録の小冊子で、UFO、心霊現象、古代文明、超心理現象といったおなじみのテーマを網羅したミニ事典となっている。そして後者は「ムー」創刊号の販売促進用に書店で配布されたものだ。小冊子はいわば、新雑誌の名刺代わりとして作られたものなのである。

 驚くのは、現在の「ムー」とほぼ同じスタンスで記事が構成されているということ。文体やデザインはもちろん、タイトルや見出しまで違和感はまったくない。執筆者の顔ぶれも、今では八幡書店社主でオカルト界の重鎮・武田洋一(崇元)氏や、本誌のオカルト科学の記事や「ミステリー大賞」の選考委員としてお世話になった安達肇氏といった名前が並んでいる。

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記念すべき最初の記事。まさに「ムー」のスタイルだ。「ムー」の創刊を企画したのは、本誌2代目編集長の太田雅男氏。そこに初代編集長の森田静二氏が加わった。

 創刊準備号にしてすでに「ムー」の骨格ははできあがっていたのだ。かくしてその1か月後、「ムー」は創刊された。だがその道のりは、決して順風満帆ではなかった……。

日本初のミステリー総合雑誌「ムー」誕生!

 世界の不思議をヴィジュアルで見せる! 日本初のミステリー総合雑誌を目指し、意気揚々と「ムー」は船出した。だが、現実はそう甘くはなかった。


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記念すべき創刊号の表紙。創刊準備号をそのまま踏襲している。

 1979年10月に創刊となった「ムー」だが、当時は現在のB5変形判よりもひとまわり大きなA4判だった。その理由について第2代編集長の太田雅男は「見て楽しめるヴィジュアルな雑誌を作っていたんだ。だから、今より大きいA4判で、カラーページもずっと多かった」と語っている(「ムー」創刊100号記念企画の座談会記事にて)。

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創刊号総力特集の記事中より。模型でホプキンスビル事件を再現!

実際は「ムー」の船出は大荒れだった。

 当時はUFOから古代文明、超能力といったジャンルの壁もまだ高く、ミステリーを総合的に掲載するメジャー誌など皆無の時代。参考にすべき手本もなく、作家やイラストレーター捜しも手探り状態。どんな雑誌のどういう記事なのか、取材先に伝えるだけでもひと苦労だった。かくして編集部は不眠不休の不夜城と化したのだ。
 デザインは、書店でいかに目立つかを徹底的に研究。表紙はイラストという今日まで続く基本方針も、イメージを読者に伝えやすくするためだった。

 記事内容を見てみると、総力特集は「異星人は敵か、味方か?」(1号)、「幻のムー大陸は実存した!?」(2号)、「衝撃の大予言」(3号)、「大ピラミッド」(4号)、「世界の超能力者ビック13」(5号)、「"第4種接近遭遇"事件の謎を探る!!」(6号)と、なかなかのラインナップ。他にも心霊や超科学、怪奇伝説など、まさにミステリー情報を網羅した内容になっている。また永井豪氏&石川賢氏、水木しげる氏などのマンガが掲載されていたのは、現在と大きく違うところだ。

 ……と、内容は濃く、編集スタッフもアツい……にもかかわず、これが売れなかった(ちなみに宣伝費はゼロだったらしい)。隔月刊で第2号、第3号と続けてはいったものの、6号の時点でもあいかわらず赤字が続き、創刊1年でついに最大の危機が訪れる。

「このまま赤字続きなら廃刊!」

――会社側からの血も涙もない(が商業誌としては当然の)通告が編集部に届けられたのだ。その顛末は次回で。

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創刊第2号の総力特集「幻のムー大陸は実存した!?」。よもや雑誌の「ムー」が超大陸ムーのごとく沈没しそうになるとは。


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