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聖書に基づく創造を科学的に解く! 創造科学という信仰/宇佐和通・新ID理論

ダーウィンの進化論には疑問が多い。世界の創造と生物の進化は、聖書の「創世記」に基づいて考えるべきだーー。創造論の最前線で広げられる論争と、彼らの深い信仰を追うシリーズ第2回!

文=宇佐和通

第1回はこちら

創造博物館

 アメリカ中東部、ケンタッキー州ピーターズバーグの郊外。市内を流れるオハイオ川のすぐ近く、州高速275号線沿いに、75000平方フィート(約23000平方メートル)という広大な敷地を誇る『クリエイション・ミュージアム』(創造博物館)という施設がある。その名の通り、創造論という大きなテーマに沿って作られた壮麗なアトラクションだ。ウェブサイトには、以下のような紹介文が示されている。

“人間による過ちだらけの推測を排除し、神の完全無欠な御言葉を余すところなく尊ぶ創造博物館は、本当の意味でのこの世の成り立ちを理解するのにふさわしい場所です”

 マイルドな響きの文章だ。それと同時に、有無を言わさぬ絶対的な響きを感じる。それもそのはず、この施設は主流派科学で言うすべての進化論を否定し、聖書に記されていることだけが真実であるという立ち位置から地球と生物の歴史を説明することを目的としている。原理主義という形容が一番ふさわしいだろうが、テーマパーク感覚で家族が1日楽しめる場所というとらえ方をしている人たちがいるのも事実だ。何よりも聖書の教えに重きを置き、生き方の規範とするライフスタイルが尊重されるバイブルベルトという地理的特質も無関係ではないだろう。

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創造博物館では、創造論にもとづき、恐竜と人類が共存する時代が再現されている。

 ケンタッキー州には、印象的な施設がもうひとつある。クリエイション・ミュージアムから南に70キロほど走ったところにある“実物大”のノアの箱舟『アーク・エンカウンター』だ。長さ155メートル、幅26メートル、高さ16メートルという規模で箱舟が再現されている。

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実物大のノアの方舟を模している「アークエンカウンター」。

 アメリカ国内(少なくともバイブルベルト圏内)では、こうした施設が肯定的な姿勢で受け入れられている。
 その背景にあるのは、聖書の内容を基に構築されたいわゆる“創造論”だ。この世のすべては、聖書に書かれている言葉の一字一句のとおり現実化していると信じる人たち。もっと言うなら、聖書の言葉通りにものごとが現実化している世界を望む人たち。その数は決して少なくない。

 前回でも示した通りID(インテリジェント・デザイン)理論においても神の存在が完全に否定されることはない。神が“知性ある何か”の可能性のひとつであることは間違いないからだ。ただ、とらえ方はキリスト教とまったく同じではない。聖書は神の存在、そして人間との関係について書かれたものであるため、ID理論における“知性ある何か”が聖書でいう神と完全にイコールでつながることはない。こうした背景から、たとえID理論が宗教的なニュアンスでとらえられることがあっても、聖書と同じ意味合いにはならないだろう。

 聖書を貫くのは、神が森羅万象のすべてを創り出し、自然の営みのすべてを司っているという考え方だ。「家畜のためには牧草を茂らせ」(『詩篇』104章14節)、「若獅子は餌食を求めてほえ、神に食べ物を求める」(同12節)、「誰が烏のために餌を置いてやるのか。その雛が神に向かって鳴き、食べ物を求めて迷い出るとき」(『ヨブ記』第38章41節)といった言い方からもわかるように、人間だけではなく、動物も植物もすべて含めたバイオスフィア全体の隅々まで神の力が関与している。

『クリエイション・ミュージアム』も『アーク・エンカウンター』も、すべてにあまねく作用をもたらす神の力をわかりやすい形で知らしめるものとして存在している。そしてその背景には、神の概念と聖書の言葉を単なる概念としてではなく、自らの存在の成り立ちの基盤として信頼しきっている人々がいるという事実が歴然としてある。そういうあり方に、善悪とか正誤という単純な二極論では表現しきれないものを感じる。 

全能の神を自然現象に組み込む

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