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歌う魔物は、歌うま者ーー歌声の主にご用心/黒史郎・妖怪補遺々々

ホラー小説家にして屈指の妖怪研究家・黒史郎が、記録には残されながらも人々から“忘れ去られた妖怪”を発掘する、それが「妖怪補遺々々(ようかいほいほい)」!
今回は、「歌をうたう妖怪」に焦点をあてて補遺々々します。

文・絵=黒史郎

妖気な歌声がどこからか

 たまに大声で歌うと、とても気持ちの良いものです。
 ご存じでしょうか。歌はヒトだけのものではない。妖怪や幽霊も歌をうたうのです。
 お化けの歌なんて、そんな陰気くさいものは聞きたくない? 逆に暗い気持ちになる?
 いやいや、これがなかなかの歌唱力と、きれいな歌声をもっているのですよ。
 今回は抜群な歌唱力をもつ妖怪たちをご紹介いたします。

 まずは、小さな合唱団。

ーー昔、あるところに「化け物が出る」と噂される寺がありました。
「そんな化け物は、この俺が退治してやる」
 例のごとく、元気なひとりの村人が、臆することなくいい放ちます。
夜が更けるのを寺で待っていますと、どこからともなく、歌が聞こえてきました。
「オデグニコテグハリマノクニノハッテングエドコチャグマサヒゲサシタホイホイホイヒデゲダンゴツツトシタ」
 きれいな声で、よくわからない歌を繰り返しうたっています。
 それも1匹ではなく、いっぱい来るような気がしました。

 そこで村人は大きな袋を準備し、その中に焼(焼餅?)をたくさん入れて袋の口をひろげておき、隠れて様子をうかがいます。
 歌声はどんどん近くなり、小さな化け物が数珠繋ぎになってゾロゾロとやってきました。
 化け物たちは鼻をフカフカとさせると、
「オデグニコテグハリマノクニノハッテングエドコチャグマサヒゲサシタホイホイホイヒデゲダンゴツツトシタホイホイ」と歌いながら、袋の中へと入っていきます。
 すると隠れていた村人は飛びだし、すぐに袋の口を閉めました。
袋の中を見ると、ねずみがいっぱい入っています。
 小さな化け物どもの正体は、このねずみたちだったのです。
 すべてのねずみを退治すると、もうこの寺に化け物は出なくなりました。
 ねずみも年をとると【ねずみのばけもの】になる、というお話です。

古猫の面白い歌

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