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古代世界の都ペリスポリス紀行 アレクサンドロス大王が破壊した壮麗な祭祀遺跡を行く/鈴木革

イラン南部、豊かな田園が広がる高原に、かつて世界の中心と呼ばれた都ペルセポリスがあった。人類の至宝であり、世界遺産でもある巨大帝国アケメネス朝ペルシアの夢の跡を行く。

文・写真=鈴木 革

世界最大級の建造物! 広大な都ペルセポリス

 高原の道路を東に走ると、やがてゴツゴツした岩山と、その麓に林立する石柱群が見えてくる。さらに近づくと、その建造物がとてつもなく大きいことがわかる。史上初の世界帝国であったアケメネス朝ペルシア(紀元前550〜同330年)の王都ペルセポリスである。おそらく、一体型の建造物としては世界最大級といえるはずだ。
 それゆえ、1979年にはユネスコの世界遺産にも登録されている。

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ペルセポリスの全景。最初の世界帝国の首都にふさわしく、東京ドームの2.6倍の面積の台座に豪華な宮殿が立ち並んでいた。

 筆者が初めてペルセポリスを訪れたのは1996年のことだった。
 当時のイランは個人で入国することは難しかったが、意外にも国内はインフラが整っており、ガソリン代をはじめ物価が安く、タクシーなど使い放題で快適な旅であった。しかもペルセポリスは訪れる者も少なく、広大な遺跡を自由に歩きまわり、好きなだけ時間をかけて見学することができた。
 石柱は高さ20メートルにもおよび、根元から見上げるとその重量感に圧倒される。古代芸術の粋を集めた浮彫りや彫刻は、量、質ともに博物館のようで、丹念に見学するなら数日は必要だろう。足が棒のようになるまで歩いても見あきることはなく、気がつけば白い石材が夕陽に染まるゴールデンタイムになっていた。

 その後、2007年に再訪したときにはイラン経済の活況もあって、ペルセポリスは地元民であふれかえっていた。当時はまだ遺跡保護の啓蒙がされていなかったため、彼らはまるで遊園地のように騒ぎまわり、警備員の笛の音が止むことがなかった。
 そんなことから次第に遺跡内では立ち入り禁止区域が増え、同時に保護用の透明アクリル柵が遺物を覆いはじめ、少し残念な景観になってしまった。
 さらに2011年、2012年と連続で訪れたときには経済制裁の影響で不景気に陥っていたが、ペルセポリスの人気は衰えることはなかった。ただ毎回のことながら、この世界的遺跡を訪れる外国人はきわめて少なかった。

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「アパダナ(謁見の間)」と呼ばれる区画には、装飾が施された巨大な柱がいくつも並んでいる。

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浅浮彫りが施された「アパダナの基壇」と、その上に立つ「アパダナ」の柱。

巨大な大基壇と建築物群

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