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偶然のアーロン・ブース同姓同名対決の話など/南山宏・ちょっと不思議な話

「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2018年2月号、第406回目の内容です。

文=南山宏


箱舟衝突

「ニューヨーク・タイムズ」紙2016年6月11日付によれば、『旧約聖書』「創世記」に出てくる”ノアの箱舟”そっくりに製作されたレプリカが、同月3日の夕暮れ時にノルウェーの沿岸部を航行中、係留されていた同国沿岸警備隊の哨戒艇ノルネン号に衝突した。
 双方ともに大きな損傷を負い、船側に大穴が空いた箱舟のほうは、オスロ港まで曳航された。
 この木造レプリカ版ノアの箱舟は、「創世記」に記された寸法どおりに(ただしハーフサイズ)忠実に製造された2隻のうちの1隻。
 制作資金はオランダの億万長者ヨハン・フルベルス氏(57歳)の全額提供になる。製作の動機は、氏の故国が大洪水に見舞われる不吉な悪夢を見たからだそうだ。


宇宙のランデヴー?

「”太陽系外から飛来した恒星間天体” と天文観測史上初めて認定された小惑星は、この種の小天体としては異例の、細長い葉巻のような円筒形状を呈していた!」
 NASA(米航空宇宙局)は2017年11月20日、いかにも自然の岩石性小天体らしく描かれた想像図とともに、そう公式発表した。
 ハワイ大などの天文学者チームが前月発見し、”オウムアムア”(ハワイ語で”偵察者”)と名付けられた恒星間天体は、観測データの解析から、幅は約40メートルだが、長さがその10倍、400メートル強あることがわかった。
 太陽系内でこれまで発見された天体は、長さと幅の比率がせいぜい3対1までなので、謎の恒星間天体オウムアムアの異質さは、その点でもかなり際立っている。
「太陽系以外の恒星・惑星がどのように形成されたか、具体的に解明する貴重なカギとなるだろう」
 UFO問題同様に、例によってNASAは簡単な説明ですませたが、”葉巻型の恒星間天体”と聞いて俄然色めき立ったのが、世界中のSF好きな天文ファンたち。
 巨匠アーサー・C・クラークの名作『宇宙ランデヴー』に登場する”無人異星船ラーマ”と、サイズこそ100分の1以下だが、形状も行動もそっくりだからだ。
 その後のデータ解析の結果、この円筒状形物体オウムアムアは、7時間前後の周期で自転しながら秒速38キロで飛行していること、全体が岩と金属から形成され、水分や氷は存在しないこと、おそらく何億年間も宇宙空間を旅しながら宇宙船を浴びつづけたため、表面は赤みがかっていると推測された。
 現在は火星の軌道より外側の宇宙空間を飛んでいるが、いずれは太陽を中心に大回りしながら、ラーマのようにスイングバイ航法で加速して、天然物体か人工物体かという謎を永遠に残したまま、太陽系を去っていくことになる。


同姓同名同士打ち

 英カンブリアのバロウウィンハーネスで、2015年12月12日早朝、アーロン・ブース(22歳)がアーロン・ブース氏(年齢不詳)を襲い、左顎に噛みついた。
 襲ったほうのアーロンは傷害罪で起訴され、地元の治安判事裁判所で245ポンド(約3万7000円)の罰金刑を課された。
 襲われたほうのアーロンが受けた顎の噛み傷は、幸いほんの軽傷ですんだので、被害者が自分で手当てしただけですませて、結局、病院には行かなかった。
 加害者のアーロンの弁護士の話では、襲った当時アーロンはへべれけに酔っぱらった状態だったので、おのれの暴行事件のことはほとんど何も記憶にないという。
 さらに、自分が襲った相手もたまたま同姓同名だったということを、加害者アーロンが知っているかどうかは現在の時点では確認されていないが、警察で取り調べを受けたさいに取調官から知らされたことは容易に想像できる。


おイシい味

「私は砂利が大好物だ。紅茶やパンやスープには砂がよく合うね」
 インド、うったる・プラデッシュ州の石工(いしく)ハンス・ラジ氏(45歳)は大のゲテモノ食い。それも商売物の石や砂の類いが最高に美味とか。
「石やレンガを食べるようになって、かれこれ25年になるが、病気に罹(かか)ったことは一度もないよ。普通の食事をしている人のほうが、よっぽど体を壊すんじゃないかね」
 仕事が建築関係なので、食事時間になると、いつも仕事の現場から余った石や崩れたレンガを失敬しておいしくいただいているという。
「私の考えでは、砂や石に含まれているミネラル成分から、エネルギーを摂ってるんだと思うね」
 ハンスの主張では、歯はすこぶる丈夫で、口腔や胃腸など消化器系統にも何の異常もないそうだ。


スネークスナック

 オーストラリアはクイーンズランド州バンダバーグの牧場主ジャネット・ブキャナンは仰天した。
 牧草を食んでいる牝牛の群れの中で、よく見ると1頭だけ、草ではなく緑色のツリーヘビをムシャムシャ食べていたからだ!
「ビックリしたわ。ひょっとすると草と同じような緑色をしていたからかしら。それにしても草食動物なのに肉食するなんて!」
 地元の「ゴールドコースト・ブレティン」紙2016年4月6日付によれば、こんなこと絶対だれも信じてくれっこないだろうからと、ジャネットはあわててケータイで証拠用の写真を撮影した。


この世の終わり

 米メリーランド州エルクリッジ在住のアレックス・ブリッジー君(25歳)は、2016年4月28日の真っ昼間、パンダまたはハリネズミ(報道機関によって異なる)の着ぐるみを着たうえに救命胴衣をつけ、さらに腰の周りに爆薬っぽいものを巻きつけた奇妙きてれつなコスプレ姿で、ボルティモア市内のテレビ局に乗り込んだ。
 アレックスは通報で駆けつけた警官にその場で撃たれ、無抵抗でおとなしく現行犯逮捕された。
 父親の話では、息子は4月半ばに「この世は今年の6月3日に終わる」との神の啓示を受けたとかで、目前に迫る恐ろしいアルマゲドンの日を世界に告げようと、あんな奇妙な格好をしたのだとか。
ちなみに”爆薬”の正体は、ただの板チョコをキッチン用品のアルミ箔で包んで、ガムテープで固めたものだった。



(月刊ムー2018年2月号掲載)

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