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違法薬物を守るワニの話など/南山宏・ちょっと不思議な話

「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2017年11月号、第403回目の内容です。

文=南山宏

トンデモ進化論

 西暦2000年の前後20年間にオーストラリアで大活躍したプロクリケット選手シェーン・ウォーン(48歳)は、筋金入りの〝エイリアン地球人類創造説〟論者。
 日本ではクリケットは馴染みが薄いが、2013年に引退したウォーンは、このスポーツでは今もなお日本のプロ野球でいう長嶋・王なみの超人気を誇る長身でイケメンの大スターだ。
 そんな人気元プロスポーツマンが、テレビのリアリティ番組「私はセレブ」に出演して、宇宙人に関する信念を堂々と披瀝した。
「ダーウィンの進化論は間違っている。もしわれわれがサルから進化したのなら、なぜサルたちも進化しないんだ? われわれが進化できたのは、宇宙人が手を貸してくれたおかげにちがいない!」
 ウォーン氏が進化論を正しく理解しているかどうか、判定は賢明なみなさんにお任せしよう。


ガードワニ

 2016年2月27日付けロイター電によれば、オランダ最大の都市ロッテルダムで、警察が女ひとりを含む総勢11人からなる麻薬密売グループを逮捕し、彼らが番人代わりに巨大ワニ2頭に檻の中で護らせていた現金30万ユーロ(約3900万円)を押収した。
 警察はまた同じ場所で、大量の合成麻薬、武器、さらに50万ユーロ(約6500万円)相当の覚醒剤メタンフェタミンも発見した。


トラブルナンバー

 中国・北京市在住の中国人カーマニア、ゾウ・ムバイ氏(仮名)は、長年の念願叶って、ラッキーナンバー88888のナンバープレートを、85万3000元(約1400万円)を超える大金と引き換えに、とうとう入手した。
 だが、(これでツキが回ってくるぞ!)と小躍りしたのも束の間、パトカーや警邏中の警察官にニセのナンバープレートと怪しまれ、たった1日のうちに8回も見咎められて職務質問を受けた。
(ラッキーナンバーどころかアンラッキーナンバーじゃないか!)
 頭にきたムバイ氏は、買ったときよりはるかに低い価格で、カーマニア仲間に売り払ってしまった。


人間命綱

 米フロリダ州パナマシティの砂浜で沖に流された一家を救ったのは、機転の〝人間の鎖″だった。
 今年7月8日の午後、メキシコ湾沿岸で祖父母も含めて一家総出で遊んでいたロバータ・アースリーさんは、幼な子ふたりが引き波に遮られて戻れなくなり、沖合で助けを呼んでいるのに気づいた。
 ロバータも祖父母もほかの家人も含めて7人全員が、周囲の制止も聞かずに押し寄せる波を泳ぎ越えたり、少しでも浅い海底を選んで回り道しながら助けに駆けつけたものの、今度は彼ら自身が潮流に邪魔されて戻れなくなった。
 その頃、夕食にしようと夫といっしょに浜辺に上がってきたジェシカ・シモンズさんは、海水浴客たちが沖の海面を指さして、なにやら騒いでいるのに気づいた。
 最初はサメが出たのかと思ったが、すぐ〝島流し″状態に陥ったアースリー一家に気がついた。
 幸い浅瀬の多い海岸なので、まずジェシカの夫が妻の手を握って先頭に立ち、近くにいた女性がすぐさまジェシカと手を繋ぎ、それを見た人々が次々に駆け寄ると、数珠繋ぎになって進みだした。
 中には泳げない人もいたが、総勢80人もの〝人間の鎖″がたちまち出現して、先頭のジェシカたちが海中で立ち往生したアースリー一家まで到達。家族全員を安全な陸地まで無事にたぐり寄せた。
 ロバータの母親が心臓発作に襲われて救急車で病院に運ばれ、また姪のひとりは手の指を折ったが、そのほかは全員無事だった。
「助けてくれた方々はみな、神がお遣わしになった天使さまよ。あの人たちがいなかったら、わたしの一家は生き残れなかったわ」
 ロバータは地元紙「パナマシティ・ニューズヘラルド」の取材記者に、そう感謝の気持を表した。
 現場に居合わせた海水浴客たちが全員協力したこの救出劇に、ジェシカも率直な感想を吐露した。
「近頃はテロだの何だのと嫌なことが多いけど、それでも人間、まだまだ捨てたもんじゃないわ」


世界最小の卵

 英サフォーク州ブリーセントエドマンズのとある農場で、2016年6月初めの早朝、1羽のニワトリが奇跡の卵を産み落とした。
 農場主の娘ジョージア・クラウチマンさん(22歳)がニワトリ小屋で回収した20個の卵の中に、世界一小さい卵が見つかったのだ!
 くだんの卵の長径は約15.5ミリ。同国の5ペンス硬貨の直径約18ミリと比べてもさらに小さい。
 それまでのギネスブック公認記録もやはり18ミリなので、ジョージアの見つけた卵は、その記録を大きく塗り替えることになる。


お利口ネコ

 ロシアはシベリアのノヴォシビルスク市で、1匹の大きなお腹を抱えた雌の三毛ネコが、とある動物病院の玄関先に現われた。
 彼女はドアをカリカリ引っ掻いて開けさせ、中に転がり込むと、子ネコを4匹、無事に出産した。
 三毛ネコの出産を手助けした獣医師たちはうなづき合った。
「この野良ネコ君はじつにお利口さんだね。まさにドンピシャリの場所に迷い込んできたんだから」
 それも道理、ここはただ動物病院というだけではない。シベリアきって有名な動物病院で、その名も〝ベストクリニック″という。


誓約の処女

 昨年8月中頃、バルカン半島のモンテネグロで、同国最後の〝誓約の処女〟として知られるスタナ・カロヴィッチさんが、享年85歳(86歳とも)で世を去った。
〝誓約の処女″とは、世帯主の父親が死んだ時に男の後継ぎがいない場合、娘が生涯独身を誓って世帯主となり、服装も言動も男として一家を守る奇妙な風習をいう。起原は中世にまで遡るとされる。
 スタナには兄が2人いたが、あいにく2人とも不治の病いに罹って若死にしてしまったのだ。
 スタナは木こりの仕事を含めてつねに男と対等に働き、生涯を自立自存で貫き通したのである。


(月刊ムー2017年11月号掲載)


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