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ミシガン湖畔で発見された〝光る石〟ユーパーライトの謎

アメリカの鉱物学者が、ミシガン州の湖畔で不思議な石を発見した。ブラックライトをあてると表面から光を放つ新種の鉱物は、「ユーパーライト」と名付けられた。

文=宇佐和通

ブラックライトを当てると光る!

 2017年の夏、アメリカはミシガン州のミシガン湖畔で、不思議な石が発見された。発見者は、鉱物の専門家エリック・リンタマキ氏。彼が湖畔を歩きながら珍しい石を捜していると、無数に転がっている石の中に、ぼうっとした光を見つけたのだ。
 近づいてみると、楕円形の石が淡い光を放っていた。滑らかな表面から筋状に光が浮き出ている。大地にできた割れ目から見える溶岩流のごとく、内部から漏れ出るように光っていたのだという。

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 リンタマキ氏は、ミシガン州北部に住む人々を意味する“ユーパー”という呼び名にちなみ、この石を“ユーパーライト”と名づけた。彼は、ユーパーライトの特徴や特性をキーワードにインターネットで調べたが、情報は皆無に等しかった。知識が豊富な同業者に尋ねても、答えは得られなかったという。

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ユーパーライトを発見したエリック・リンタマキ氏。

 その後、彼は毎晩、調査・採集のためにブラックライトを手にしてミシガン湖畔に通いつづけた。ユーパーライトはブラックライトを反射するので見つけやすいからだ。その結果、小石サイズからソフトボールほどの大きさのものなど、さまざまな形状のユーパーライトの採集に成功した。

 すると、間もなくして、ミシガン工科大学から「研究対象として購入したい」という旨のメールが届いた。そしてミシガン工科大学主導のもと、カナダのサスカチュワン大学との共同検証が行われたのだが、その分析結果は驚くべきものだった。
 まず、石そのものは閃長岩というもので、基本的に粗い粒子から成る火成岩であり、組成としては花崗岩に似ている。だが、石自体に蛍光性の鉱物である“ソーダライト”が含まれていることが明らかになったのである。
 走査型電子顕微鏡の分析により、蛍光性を発揮している鉱物がソーダライトであることが確認されたのだが、そもそも“ソーダライト”とは、長波の紫外線照度の下で蛍光を発する鉱物で、ユーパーライトの場合は黄色がかったオレンジ色の光になるという。

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 実は、ミシガン州内では多くの閃長岩が確認されているが、これまでソーダライトが発見されたという記録は残されていない。
 つまり、ユーパーライトは「新種の鉱物」であるということである。ちなみに、ミシガン工科大学は、ユーパーライトの正式名称を“蛍光ソーダライトを含む閃長岩”と名づけた。

 今のところ、ミシガン工科大学とカナダのサスカチュワン大学の検証チームは、ユーパーライトがミシガン州特有の鉱物ではなく、カナダのオンタリオ州内にある“コールドウェル・アルカリ複合岩体”に源を発するものであるとしている。だが、ユーパーライトの生成原因については、詳しいことがわかっていないという。光る石には、まだまだ謎が隠されているようだ。

 未知の鉱物「ユーパーライト」。さらなる詳しい調査結果が待たれるが、リンタマキ氏が鉱物学史に残るような発見をしたことは間違いないだろう。


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ブラックライトで地面を照らしながらユーパーライトを捜す。

実物を入手!

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 ムー編集部も、テレビ番組の取材ルートを通じてユーパーライトを入手できた。自然光の下では、だたの石ころにしか見えないのだが……。ブラックライトをあてたところだけ、光る。中から光が漏れているように見えるが、可視光線を反射しているようだ。

 新種の鉱物だけにパワーストーンとしての特徴は未知。閃長石、ソーダライト、雲母などの特徴を踏まえ、パワーストーンとしての研究も進んでいくだろう。

(ムー2018年12月号より抜粋)


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