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痛みを感じない超人少女の話など/南山宏・ちょっと不思議な話

「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2018年7月号、第410回目の内容です。

文=南山宏

火星ピラミッド

「火星に確認された〝三角ピラミッド〟は、自然の地形構造物ではなく人工物の可能性が高い!」
 米自然史博物館のジェームズ・S・ミラー博士、サイドニア火星研究所のジョージ・J・ハース、テキサス大哲学部のマイケル・A・デール教授など、「惑星SETI研究協会」の主要メンバーが、オンライン専門誌「宇宙探検」2017年10月号の誌上で、衝撃的な共同研究結果を発表した。
〝火星三角ピラミッド〟とは、NASA(米航空宇宙局)が送り込んだ無人探査機MGS(マーズ・グローバル・サーヴェイヤー:火星全球測量船)とMRO(マーズ・リコネガンス・オービター:火星偵察軌道船)の両無人宇宙船が撮影した地表画像中に見つかった3側面をもつピラミッド型構造物を指す。
 この三角ピラミッドを真上から撮影した画像の解析で、同ピラミッドの3側面が機械工学上〝ルーローの三角形〟と呼ばれる、変則的だが正確な曲線状の膨らみをもっているとの新事実も判明した。
 このような幾何学的正確さは、自然の形成物としては説明できないとして、「惑星SETI協会」は〝火星三角ピラミッド〟を高度の人工構造物と結論したのだ。
 隣人惑星の火星には、もともと地球に人類文明が出現するはるか前、独自の高度文明が繁栄していた可能性がある、と主張する異端派の学者や研究者が少なくない。
 前世紀にアメリカのローウェルが唱えた〝運河網〟説はその後完全に否定されたものの、ほかにも〝人面岩〟〝多角塔〟〝窓つき半球ドーム〟など、人工物としか思えない物体が次々発見されている。
 とはいえ、真偽の見極めがつくのは、近い将来、人類が現実に火星の地表に降り立ったときになる。


飲み込みの悪さ

 幸運な偶然がはたらいて、泥棒の体内検査を警察当局から依頼された女性医師が、盗まれたばかりの自分の大切な宝石類を発見した。
 トルコはコンヤ県ベイシェヒル地区の警察が、最近当地でひんぴんと発生していた空き巣事件の容疑者として、24歳のオメル・アイディン(仮名)を緊急逮捕した。
 警官が最初に見咎めたのは、男の〝奇妙〟すぎる歩き方だった。盗品類を呑み込んだか、体内のどこかに隠し持っているにちがいないと睨んで、病院に連れていき、X線検査にかけてもらったのだ。男の体内からは予想したとおり、すべて純金製の指輪2点、イヤリング4点、ネックレス2点を含む宝飾品類がぞろぞろ出てきた。
 そのX線検査を担当したのが、被害者のひとりゼフラ・オズチュルク医師(仮名)だったのだ。


魚の雨

 2016年1月31日午後11時30分、エチオピア東部ディレダワの町の数か所に、ひとしきりばらばらと激しい魚の雨が降った。
 住民たちはこの怪雨を神の祝福と受け取って、路上や庭の草地でピチピチと飛び跳ねている魚たちを、大喜びで集めて回った。
 同国の気象学者エフレム・マーモ氏は、この異常な気象現象を例によって、サイクロン(インド洋や南太平洋で発生する熱帯性低気圧や暴風)が海面から巻き上げて運んできたもので、別に不思議でも何でもないと片づけた。


最古の血

 2017年4月6日付「ザ・サン」紙によれば、地球の生物史上最古の哺乳類の血液が、コハクの中に封じ込められた一匹の微小なダニの体内で、3000万年以上にわたって保存されてきた。
 この寄生動物は、現在ドミニカ共和国と呼ばれる土地で、3000万年以上前、おそらく樹上生活するサルの体表から、樹液の中に転がり落ちて溺れ、そのまま樹液ごとコハク化したと思われる。


無痛のスーパーガール

 オリヴィア・ファーンズワースちゃんは決してお腹が空かず、疲れも知らず、痛みも感じない。
 英国西ヨークシャー州ハダーズフィールドのオリヴィア(7歳)は、右のような無感覚症状が特徴の、きわめて珍しい遺伝子疾患にかかった世界ただひとりの患者、と医師たちには信じられている。
 空腹を感じないから、3日食べなくても平気。疲労も感じないので、母親から毎晩睡眠薬を飲まされないと、ベッドにも入らない。
「まるでスーパーマンだわね」と母親のニキ・トレパクさん(32歳)は嘆く。「車に轢かれたときも、車10台分は引きずられたのに、泣き声ひとつあげなかった。恐ろしい光景だったのに、すぐに立ち上がると、すたすた歩いて戻ったわ。胸元についたタイヤ跡が気になって、擦って消そうとしただけね」
 診察した医師団の憶測では、オリヴィアが助かったのは、恐怖で緊張することなく、心身がリラックスしていたせいだろうという。
 念のためCTスキャンとX線検査にもかけられたが、体のどこにも異常は見つからず、わずかに足指の1本とお尻の一部の皮膚に、ほんのちょっとだけ擦り傷があるのが見つかっただけだった。
 ニキさんはオリヴィアのほか、12歳、10歳、6歳、4歳と総勢5人の子だくさんだが、ほかの4人はごく普通に生まれ育っている。
 だが、オリヴィアだけは不思議なことに、赤ちゃんのときから少しも泣かず、いつもニコニコ笑うだけ。しかも、誕生9か月目からは日中はまったく眠らなくなり、また髪の毛がきちんと生え揃うのも、やっと4歳になってからだった。
 だが、DNAの一部が欠損する〝6番染色体欠損〟という、まだ正式名のない稀有な奇病の患者と判明したのは、オリヴィアが保育園で転倒して唇を嚙み、血がかなり出たのに、まったく痛みを訴えなかったのを、手当てした医師が不審に思ったのがきっかけだ。
 染色体障害に苦しむ人々の民間支援グループ〝ユニーク〟の総代表ビヴァリー・サール博士の話では、現在染色体異常の患者は世界中で約1万5000人いるが、オリヴィアのような〝6番染色体欠損者〟は、ほんの100人ほど。
 しかし、オリヴィアのような無感覚症状タイプは、登録されたデータベース上では唯一という。
 母親ニキは健な気に証言する。
「いつもニコニコしていて、とってもいい子なのよ。もしあの子の人格を瓶詰めにして世界に売ったら、私は大儲けまちがいないわ!」


(ムー2018年6月号掲載)


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