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幽霊は季節も気候も問わずに出るときには出る話など/南山宏・ちょっと不思議な話

「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2019年6月号、第422回目の内容です。

文=南山宏


ヒトラー対レーニン

 2018年9月21日付ロイター電によれば、ペルーはアンデス山中の農業の町ユンガルのあちこちに〝ヒトラー還る〟とか〝ヒトラーは人民とともに〟などと大書された選挙ポスターが貼り出されて、町民をびっくりさせた。
「私は善人のヒトラーです!」
 と選挙演説でぶつなどして人気を博し、同年10月の選挙の結果、ヒトラー・アルバ・サンチェス氏は、みごと新町長に当選した。
 たまたま対立派の立候補者もレーニン・ウラジーミル・ロドリゲスという名前で、「ヒトラーの名はズルい。無効だ!」と候補者名リストから外させようとしたが、その苦情は却下されて落選した。


幽霊樹

「夏の酷暑は幽霊を召喚する!」
〝世界一幽霊の多い国〟といわれるイギリスが、過去40年で最高温度の熱波に襲われた昨年の真夏、プリマス市で超常現象調査組織を率いるベテラン研究家ゲーリー・パーソン(53歳)は、さも自信ありげな口調でそう断言した。
「例年、6月から8月は幽霊やポルターガイストというような怪奇現象が頻発する季節だが、今年はとくにこの熱波のせいで、それがピークに達しそうな勢いだ!」
 残念ながらパーソン氏のこの主張にはさして根拠はなく、たとえ真冬の厳寒下でも、摩訶不思議な怪奇現象はひんぴんと発生する。
 2018年2月18日付の英大衆紙「デイリースター」は、ヨーロッパ全域が零度をはるかに下回る極寒に襲われている真っ最中に発生した怪奇現象を報道した。
 昨年2月12日の朝、サリー州ケイタラム市に聳え立つ推定樹齢250年のヒマラヤスギの巨木の下に駐められていた一台の車が、だしぬけに自然発火して、あっというまに燃え尽きてしまったのだ。
 駆けつけた消防車の懸命な消火活動を見届けた現場近くの住人カレン・リリーさん(62歳)は、マスコミにこう証言する。
「車が燃えたのはきっとあの木の祟りのせいだわ。あのヒマラヤスギには男と女のお坊さんの霊が取り憑いてるって噂よ。あの木はこの付近ではいちばんの年寄りで、そのうえ呪われてるって噂だわ。地元の古いいい伝えでは、お喋りしながらあの木の下を通るのは厳禁で、とても不吉とされてるの。子供のころあの木の下を乳母といっしょに通りかかるときは、いつも口を手で塞がれたものよ」
 カレンは地元で生まれ育ち、現在も同じ家に住んでいるが、呪いが降りかかると怖いので、この巨木がいっしょに写り込むような写真は絶対に撮らせないという。
 カレンの顔見知りで、やはり地元生まれで地元住まいのアンドレア・ノウルズさん(60歳)も、この巨木は〝イギリス一の幽霊樹〟といういい伝えを信じている。
「すぐ隣に建ってる古いお屋敷は、今は空き家でだれも住んでないけど、ポルターガイストがよく出るらしいわ。不動産屋の社員が調べにきたとき、書類綴じ用のホチキスが宙を飛んで床に落ちたり、食器棚の扉が勝手に開いたり閉じたりしたんで、ひとりで地下倉に降りるのを嫌がったとか」
 その不動産屋の社長の話では、問題の〝幽霊樹〟が聳え立っている場所も、もともとは空き家の古屋敷の敷地に入っていたという。
 社長はテレビ記者団の質問に、こう楽観的な答えを返した。
「でも、そのうちきっとだれかがこの古屋敷を、借りるか買うかしてくれますよ。なにしろこの国は〝世界一幽霊が多い国〟だからね」


ロトラック1

 オーストラリアはシドニー郊外ボンディ在住のダニー・ジョンストン氏(仮名)は、ロト式宝くじを買って、同じ週のうちに2度も大当たりの懸賞金を獲得した。
 まず昨年5月7日の月曜日、ダニーは102万487オーストラリアドル(約8076万円)を射止め、ついで週末の12日土曜日には、なんと145万7834オーストラリアドル(約1億1566万円)を手にしたのだ。
 にわか大尽(だいじん)のジョンストン氏は満面の笑みでいい放った。
「まずは不動産に投資する。お次は新車を買って、あとはもちろんホノルルで長ーいバカンスだね」
 お好きにどうぞ。


ロトラック2

 フランスはクルーニー市のフェラン・ガウティエ氏(仮名)は、ロト式宝くじのユーロミリオンズをいつも同じ7通りの数字の組み合わせだけで辛抱強く買いつづけた結果、2017年から翌年にまたがる1年6か月のうちに、大当たり賞金100万ユーロ(約1億2542万円)を2度も射止めた。
 統計専門家によると、そんな奇跡が起きる確率は、なんと16兆回に1回しかないそうだ。


なるほど

 昨年8月12日に80歳で他界したカナダ人トレジャーハンターは、嵐が原因の海難事故が多いノヴァスコシア半島沿岸の沖合で、財宝もろとも沈没した難破船ルシャモー号(1725年沈没)とフィーヴァシャム号(1711年沈没)を、それぞれ1965年と1968年に発見して名を馳せた。
 トレジャーハンターの名はアレックス・〝ストーム〟という。


隠蔽失敗

 2016年12月29日の真夜中過ぎ、もっと正確にいえば大晦日前日の朝またぎ、金融ブローカーのジョゼフ・タルボット氏(43歳)は、米ニューヨーク州ウェインカウンティで、酔っ払い運転の容疑でパトカーに緊急逮捕された。
 いささか悪質だったせいか、警察に顔写真を撮られ、地元紙「ウェインカウンティ・タイムズ」の大晦日号の一面トップに、写真付きで報道されてしまった。
 2017年1月4日付AP電によると、タルボットは自分の恥ずかしい記事を地元の住人になんとか読ませないようにと、必死になって新聞配達人たちを片っ端から追いかけては、1部1ドル25セントで全部数買い上げて回った。
 同紙の総部数1万2000部のうち、ようやく1000部近く買い戻したところで、この買い占め行動がバックファイアを起こし、何紙かの全国紙の目に止まって、全国民に知られることにな
った。


(ムー2019年6月号掲載)

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あやしいもんじゃないよ👁
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