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赤池の鯉を食べてはいけない! 村を焼きつくす淡水魚「鯉右衛門」/黒史郎・妖怪補遺々々

ホラー小説家にして屈指の妖怪研究家・黒史郎が、記録には残されながらも人々から“忘れ去られた妖怪”を発掘する、それが「妖怪補遺々々」! 連載第65回は、〝祟りで村を焼き尽くす大きな鯉〟を補遺々々します。記

文・絵=黒史郎

「鯉の刺身が食べたい」

 山で見つけたカラフルなキノコ。未開の地で出された異形の魚の刺身。
世の中には、食べてはいけないものがたくさんあります。
 それらを食べてどうなっても自己責任。覚悟がおありならチャレンジするのもいいですが、想像もしていなかった代償を払うことになるかもしれません。

 京都府京丹後市久美浜町海士に【赤池】と呼ばれる池があります。
ここにも、食べてはいけないものが棲んでいました。

 これは天文年間の出来事です。
 ふたりの六部が海士の村にやってきました。13歳の左近という者と、その母親です。
 親子が池の付近を通ったとき、突然、母親に異変が起きました。
 急な病によって倒れてしまったのです。
 その後、海士の人たちによって介抱を受け、左近も懸命に母親を看病しましたが、病状は思わしくありません。これでは廻国など無理です。

 そんなときでした。

「鯉の刺身が食べたい……鯉の刺身が食べたい」

 母親がしきりにそういいだしたのです。

 鯉を食べたら元気になってくれるかもしれません。なんとか母親の願いを叶えてあげたい左近は、池に行って3尺ほどの大きな鯉を捕まえてきました。
 ところが、母親は鯉を口にすることなく、死んでしまったのです。
 そして左近もまた、その驚きと悲しみで気を失い、そのまま死んでしまいました。
 海士の村人たちは「大鯉の祟りに違いない」と、池に鯉を放します。
 すると、池の水が真っ赤になっていくではありませんか。
 それ以来、ここは赤池と呼ばれるようになったのだそうです。

 この大鯉と同じものかはわかりませんが、赤池には主がいるといわれていました。【鯉右衛門(こいうえもん)】と呼ばれている大鯉です。 

滅びの鯉

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